農林水産省が平成25年9月に発表した資料によると、我が国日本では年間1,700トンもの食品廃棄物が排出されているそうだ。このうちまだ食べられる、いわゆる“食品ロス”は約800トンほどにのぼる。先進国ほど消費の段階でのロスが多いのは、容易に想像がつくだろう。
組織による偽造問題や個人が原因のSNS投稿被害、輸入食品や環境による汚染など、私たちは生きている以上、食に関する問題とは切っても切れない関係にあるのかもしれない。
こういった問題を少しでも解決するため、オランダの学生がなんとフルーツから本革そっくりの素材を開発したそうだ。
ヒントはシェフの調理方法、伸ばしたフルーツでレザー素材を発明
オランダのウィレム・デ・クーニングアカデミーの学生チームは、廃棄予定のイチゴやオレンジ、メロンなどを使いレザーのような素材を開発し注目を集めている。
そのなんとも独特な質感は下記ページよりご確認いただきたい。
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FRUITLEATHER ROTTERDAM http://www.fruitleather-rotterdam.com/
彼らは、街の市場へ週2回通い材料集めを行ったそうだが、なんと1回で約3,500kgも集まるのだそう。色落ちや潰れたものなどは売り場に出せないとはいえ、市場の業者はそれらを廃棄するのに1kgで12セントかかるのだから、なかなか無視できない金額である。
集めた材料は、詳しい方法は公開できないそうだが、煮込んだものを砕いてシート状にして乾かすだけ。シェフの料理方法からヒントを得たそうで、実際にレクチャーも受けたのだそう。
公式Webサイトをみると、まるでレザー素材を選ぶようなスタイルでサンプルを楽しむことが可能だ。筆者は、シート状に伸したドライフルーツや梅干しが好きだったりするのだが、なんだかそんな食べ物を想像してしまう。美味しそう……いや、動物性の素材にはない、とてもフレッシュでさわやかな印象を受ける。色も鮮やか。天然色なのだろうか。
現在は、実際にハンドバッグをデザインするところまで漕ぎ着けたそうだが、実用化されれば動物を殺める必要も減るかもしれないし、フェイクレザーといった科学合成物質の排出も減るかもしれない。
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非常にシンプルだがとても可能性をもった発明だ。
【参考・画像】
※ fruitleather-rotterdam.com
※ 食品ロス削減に向けて – 農林水産省
※ R.Iegosyn / Shutterstock
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