東洋医学から見る「男性不妊」の原因

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2015年09月29日 18:01  JIJICO

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東京都が男性不妊治療に対する助成金を出す新制度を創設


無精子症など男性に原因がある不妊治療に対し、東京都は来年度から治療費の負担が半分程度になるよう助成金を出す新制度を創設することが明らかになりました。それだけ、男性が原因による不妊が増加している傾向にあります。


中医学では、男性の妊娠力は腎(じん)に宿ると考えます。腎は生命力の源で、男性ホルモンを分泌させて精子をつくります。日本において、その腎の力が低下している男性が増加しているようです。それが、男性不妊の最大の原因なのかもしれません。さらに掘り下げれば、不妊原因もいくつかのタイプに分類できます。


腎の力低下によるタイプ別の症状


腎虚(じんきょ)型は、腎自体の機能低下により引き起こされます。機能低下は乏精子症、精子運動率の低下などを招き、自覚症状としては性欲低下、冷え、疲れ、ほてり、トイレが近い、頭痛などで悩まれることがあります。湿熱型であれば、精子に血液や膿がまじり、倦怠感、排尿痛、大便がべとつく、睾丸が腫れやすい前立腺肥大などの自覚症状が見られます。


気滞瘀血(きたいおけつ)型は、ストレスや喫煙などで気血の流れが悪化し、精策静脈留、精管のつまり、射精不可能、閉塞性無精子症、乏精子症に陥ります。自覚症状は、いら立ちやすく、陰部に刺さるような痛みなどで、唇は紫、舌は紫暗、斑点が表れます。最後に痰湿(たんしつ)型です。これは、精巣、精管に不純物がたまることで、性欲の低下、乏精子症、前立腺肥大を招きます。自覚症状は肥満、むくみ、吐き気、体がだるい、常時眠たいなどが一般的です。


体調が改善されれば、男性ホルモンの動きもアップする


男性不妊の妊娠力アップには、精子の質と、力を向上させることが基本です。それに加え、腎の力を高めることと、血となる栄養元、免疫力に大きく関係する脾胃(ひい)、胃腸の力を高めることが重要です。さらに、偏食をなくし、食品添加物の摂取を避け、上質のアミノ酸、ミネラルを取り入れることも大切になってきます。


体調が改善されれば、ストレス処理能力も高まり、脳下垂体が支配する男性ホルモンの働きもアップします。高額な不妊治療でも妊娠できないような場合は、このような体調改善にも注目してみてください。



(小林 潤子・薬剤師)

このニュースに関するつぶやき

  • 自治体が男性不妊=男性という性別にもこの手のサービスを提供するようになったのは、男性の権利の充実と、女性のみに不妊の原因が丸投げされてきた社会的な歪みを調整するのに、良い動きだよなぁって。
    • イイネ!7
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