このところ水害が続いている。日本は元々、地震や台風など自然災害が多いお国柄だが、それでも水害対策は万全ではない。
洪水を初めとする大災害への対策も進めなければならないが、都市部ではそこまで大きな災害ではないにせよ、ゲリラ豪雨などですぐに冠水してしまうような脆弱なインフラも多い。
最近は、雨水が表面に溜まりにくい排水性舗装が使われている道路も増えてきているが、その性能は限定的だ。
やはりある程度の降雨量を超えれば、道路の表面は水浸しになってしまうし、低地では冠水が起きてしまう。
ところが、衝撃的な吸水性を示すアスファルトの映像が話題になっている。
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毎分4,000リットルをぶちまけても水が捌ける
その吸水性はもはやスポンジ、いやザルのようだ。なんと毎分4,000リットルの水をぶちまけても、全く表面に水が溜まらないのだ。
そのアスファルトの名は『Tarmac Topmix Permeable』という。持続可能な建築材料を扱う英国有数のソリューション会社であるTarmac社が開発したアスファルトだ。
『Tarmac Topmix Permeable』の基本的な理屈は、既に我々が良く目にしている排水性舗装と同じだが、特殊な素材を採用することで隙間を大きくしても丈夫さを損なわないようにし、透過性を極端に高めているのだ。
表面のアスファルトは隙間が大きな構造で透過性を維持し、その下の層には透過された水を排水するためのシステムを配置するという。
つまり、表面だけこのアスファルトを敷き詰めただけでは、やはり排水量の限界があるわけだ。しかし、このアスファルトの下に排水のシステムを用意してやれば、それこそザルのように水を通し、消えていく。
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動画では、『Tarmac Topmix Permeable』が、1平方メートルあたりで毎分600リットルの水を吸収してしまうと紹介されている。
雨天の路面のトラブルを減らす
Tarmac社のサイトでは、用途としてスポーツピッチ、サブベース、サイクルパス、駐車場、車道、サイドウォークが上げられている。
実際、車道のアスファルト上に水が溜まると、滑りやすいだけでなくハイドロプレーニング現象なども起きて危険だ。また、対向車のヘッドライトや街灯などが路面で乱反射し、車線が分からなくなるといった危険を経験している人も多いだろう。
『Tarmac Topmix Permeable』の様な排水技術が、少しでも多くの道路などに使われるようになれば、雨水によるアスファルト上の危険が、かなり軽減されることは間違いない。
【参考・動画】
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※ Topmix Permeable – The ultimate permeable concrete system
※ Tarmac Topmix Permeable – The ultimate permeable concrete system – YouTube
【画像】
※ Khakimullin Aleksandr / Shutterstock