スマホ市場は、すでにiPhoneとGalaxy、Nexus、Xperiaといった主要Android勢が大勢を占めている。
かつてフィーチャーフォンでは一斉を風靡していた国内メーカーも、次々とスマホ事業の撤退を決め、ビジネスシーンで活躍したBlackberryですらAndroidOSを採用し何とか生き延びようとしている。
やはりこの分野はすでに勝負が決まっているのだろうか。もし、どこかのメーカーが新たに参入するのであれば戦う術はあるのだろうか。
今回は、海外で徐々に勝ち筋を見出しているメーカーから、その方法を学んでいきたい。
機能は最新スマホと同様、なのに価格は半額
まずはわかりやすい例を見てみよう。中国で2010年に創業したデジタルメーカーXiaomi(シャオミ)だ。
|
|
同社が人気の要因は、GalaxyやNexus、iPhoneと同等のハイスペックモデルを、これらのメーカーの半額で販売することにある。
これを実現するために、まず同社のスマホは年間で1機種、1種類のみと絞られている。ラインナップを絞り、同じものをひたすら製造させることで製造ラインの無駄をなくし、発注数も莫大になるため価格交渉が効きやすく、結果として価格を抑えることが可能となるのだ。
また、技術が進歩し製造コストが落ちてくると、それを価格に反映する。そのため、1年近く経ち新製品発表が近い時には価格も非常に安くなっており、年間を通して売れにくい時期がないというのも強みのひとつである。
その他、広告戦略や販売チャネルなど他メーカーでコストをかけているところを見直すことで、この価格を実現しているというわけだ。
この戦略が功を奏し、同社は創業5年にして世界シェアでSamusung、Appleに続く3位となり、“中国のApple”とまで呼ばれている。
|
|
圧倒的な機能を提供する
次は、機能を考えてみたい。スマホに期待されている性能や機能は、すでに満たされているのが正直なところだろう。
ならば今までに考えもしなかった機能を搭載し、闘っていくのもひとつの手ではないだろうか。
例として見ていきたいのは、昨年Panasonicから発売された『LUMIX DMC-CM1』だ。
この『LUMIX DMC-CM1』は、Androidベースのスマホでありながら、背面カメラに高級コンパクトカメラに搭載される1インチセンサーを搭載した、カメラとしても十分すぎる性能を有したスマホなのだ。
10万近い高価格だったにも関わらず、予約段階から話題と人気を呼んだ稀有な端末だったため記憶に残っている方も多いのではないだろうか。
|
|
この機種は、「高級コンパクトとしては高い。スマホとしては高い。でも抱き合せなら安いかも。」という、うまく間をとった製品だ。
どんなにいいカメラを搭載したスマホと謳っていても、これまでのスマホは“スマホ”にすぎなかった。
しかし、価格を度外視してここまで“カメラ”として満足させる性能を搭載してきたことが『CM1』の強みなのだ。
どこのメーカーでも真似のできる手法というわけではないだろう。しかし、このやり方がうまくいくのであれば既存メーカーにもまだチャンスはあるのではないだろうか。
これら価格面、機能面で勝ち筋をみたメーカーはあくまで一例にすぎない。他にもGoogleの『Project Era』のように可能性がまだまだあるものも多数存在する。
「今のスマホでもう満足!」ではなく、次なる可能性を期待することは決して無駄ではないだろう。
【参考・画像】
※ わずか1年で企業価値を4倍にした中国発スマホメーカー「Xiaomi(シャオミ)」とは – 企業.TV
※ LUMIX DMC-CM1 – Panasonic
※ Monkey Business Images / Shutterstock
※ dotshock / Shutterstock
※ Yuganov Konstantin / Shutterstock