NASAは火星の地表に、どのようにして液状の水を発見したのか!?

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2015年10月06日 22:00  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

9月28日、NASAが衝撃的な発表をした。火星表面には現在も液体の水が存在するというのだ。

それ以前、火星表面の水は“痕跡”しか発見されておらず、過去に水が存在したことは確実だが、現在はないと思われていた。それが違ったのだ。

これはつまり、いま現在でも火星に生命が存在する可能性が飛躍的に高まったことを意味する。“液体の水”は生命の存在にとって必要不可欠と思われる要素のひとつだからだ。そのため、宇宙ファンにとっては、このニュースが画期的だったのだ。

しかし、NASAはどうやって液体の水の存在を突きとめたのだろうか?

特定の季節だけ現れる「黒い筋」の正体

カギとなったのは、スペクトル分析器(分光計)の画像だった。火星のある部分では、急峻なスロープ状の地形のところに、黒い筋状の模様が現れたり消えたりする。

比較的気温の高い季節に現れ、気温の低い季節には消えることもわかっていた。この模様は火星のいくつかの場所において、-23℃以上になったときに現れる。

今回、その“黒い筋”の場所のスペクトルを調べたところ、含水塩が発見されたのだ。含水塩は水の凝固温度を下げる効果がある。道路に融雪剤をまくと氷が溶けるのと同じだ。

つまり、黒い筋は含水塩を含んだ氷が溶けて、地表を流れたあとであるというのだ。

生命の存在が明らかになるかも!?

<私たちが含水塩を見つけることができるのは、黒い筋が最大になる季節のみでした。これは、黒い筋が水和物の原料そのものであることと、水和物ができるプロセスであることを示唆しています。いずれのケースでも、含水塩の存在は、“黒い筋”の形成に「水」が重要な役割を果たしていることを意味します>

と、この論文の筆頭執筆者のひとりLujendra Ojha氏はいう。


動画を別画面で再生する

以前『FUTURUS』でお伝えした「火星に「生命存在」の痕跡か?NASAが地表から窒素化合物を発見」の記事の際は、新しい発見は火星探査車『キュリオシティ』からもたらされたものだった。

こんどの発見は、『Mars Reconnaissance Orbiter (MRO)』という、火星の周回軌道から探査を行う探査機によってもたらされたのだ。

さまざまな方法を駆使して、科学者たちは火星を調べている。近い将来、生命の痕跡あるいは生命そのものが発見される可能性もある。

そして、その発見は地球に生命がどのように誕生したかを解き明かすカギとなるかもしれないのだ。

【参考・画像】

※ NASA Confirms Evidence That Liquid Water Flows on Today’s Mars – NASA

【動画】

※ Animation of Site of Seasonal Flows in Hale Crater, Mars – YouTube

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