サンタクロースって本当にいるの? 答えはもちろん「Yes」です。広く知られていることですが、グリーンランドには長老サンタクロースが住んでいて、長老の命を受けた120名の公認サンタクロースが世界中で活躍しています。サンタクロースといえば、白いお髭に真っ赤な衣装、優しい顔をした恰幅のいいおじいさんの姿を思い浮かべますよね。でも、世界にはそんな定番のイメージを裏切る変わったサンタクロースもいるのです。
写真中央は日本の公認サンタクロース、パラダイス山元さん |
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サンタクロースの衣装がどうして赤いのか、知っていますか? それはコカ・コーラ社が広告戦略に使ったからだよ、そう答える人もいるかも知れませんね。確かにその影響力は絶大で、そこから赤い衣装を着た太っちょのサンタクロースというイメージが定着しました。けれど、それよりもずっと前からサンタクロースは赤い服を着ていたのです。三世紀のトルコに、セント・ニコラウスという聖人がいました。数々の奇跡で子どもや乙女を救った彼がサンタクロースの起源だと伝えられています。そして、教会で彼が着ていた司祭服もまた赤色でした。
世界中にプレゼントを届けてくれるサンタクロースは、長い時間をかけて、多くの国々をめぐってゆく過程で、いろいろな文化との融合を果たします。そこからたくさんの性格を持ったサンタクロースが誕生しました。その容姿も土地によってさまざまです。例えば、体型がスリムだったり、トナカイの代わりに豚にソリを引かせていたり、兵士用の革ジャン姿になったなんていうことも。
ドイツには黒いマントを羽織ったブラックサンタクロースがいます。彼は日本の常識ではちょっと想像できないような、変わった役割を持っていました。サンタクロースといえば良い子にお菓子やおもちゃなどをプレゼントしてくれる存在ですが、この彼が相手をするのは、なんと悪い子。プレゼントも木炭なんていう、意地悪なものです。さらに悪い子にはベッドの上に血がしたたる豚の臓物などをぶちまけてしまう、とか。ちょっとやり過ぎな感じもしますね。でも、もっともっと悪い子は、大きな袋に入れて連れ去ってしまうことも。こんな説明をすると、悪いサンタクロースだ、なんて捉えられがちですが、単に怖いだけの存在ではありません。良い子にしていないとお仕置きだってされてしまうよ、そんな教訓を与える役割を担っているのです。
ドイツの公認サンタクロース ニコラウス(左)とクネヒトループレヒト(右) |
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ロシア、東欧諸国には青い服を着たサンタクロースもいます。オランダのサンタクロースは白い衣装。白馬にまたがって街をパレードし、プレゼントには自作の詩も添えてくれます。ノルウェーのサンタクロースは、山登りが趣味の普通のおじさんのような格好。赤い帽子を被っていることで、ようやくサンタクロースだとわかるぐらいです。日本人から見ると、これが本当にサンタさんなの? という感じがしなくもないですね。
クリスマスといえば、チキンや甘いケーキを食べて、サンタクロースからただプレゼントをもらう日だと思っていませんか? 日本のクリスマスは年々イベント化され、商業的な色合いが強まっています。信仰や儀礼的な意味合いは薄れてしまっているかも知れません。それでも、サンタクロースの存在が決して消えることなく、愛され続けているのは、私たちに贈り物をするという気持ちを教えてくれているからではないでしょうか。だとしたら、私たちはみんながサンタクロースになれるのかも知れませんね。あなたは誰にプレゼントを贈りますか?(編集・執筆/mixiニューススタッフ)
クリスマスは目前。今年はどんなクリスマスを過ごしますか? |
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(C) グリーンランド国際サンタクロース協会
参考文献
パラダイス山元「サンタクロース公式ブック〜クリスマスの正しい過ごし方〜」小学館 2007年
葛野浩昭「サンタクロースの大旅行」岩波新書 1998年
植田重雄「ヨーロッパの祭と伝承」早稲田大学出版部 1985年
関連サイト
サンタクロースサイト:http://www.santaclaus.jp/index.html
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