本国で今年6月にフルモデルチェンジされた、BMWのフラッグシップモデル、『7シリーズ』がいよいよ日本でも10月29日に発売されることになった。
新型「7シリーズ」では130kg軽量化
新型『7シリーズ』では、ボディ構造に量産モデルでは世界初となる『カーボン・コア』(CFRP)を採用、超高張力鋼板、アルミニウムなどを組合わせた複合構造とすることで、最大130kgの大幅な軽量化とボディ剛性アップ、低重心化を実現している。
ボディやシャシー廻りにアルミニウムを多用しており、従来のドアに加え今回、同社初となるアルミ製トランク・リッドを採用。
また、サスペンション、ブレーキ、ホイールの軽量化を徹底することで、バネ下重量を先代モデルから最大15%削減するなど、数々の軽量化とアイドリングストップ機構の搭載により、740iでは12.2km/L(JC08モード)という優れた燃費を実現している。
これにより『平成27年度燃費基準+10%』、及び『平成17年排出ガス基準75%低減レベル』を達成。
|
|
エコカー減税対象となり、自動車取得税40%、重量税が25%、翌年度の自動車税が50%減税される。
パワートレインは740i系に3.0L直6エンジン(326ps/45.9kgm)、750i系に4.4LのV8エンジン(450ps/66.3kgm)を搭載、8速ATを組み合わせる。
燃費に効く空気抵抗を大幅低減
エアロダイナミクスではCd値を従来の0.3から0.25へと大幅に低減した。
キドニー・グリルに『アクティブ・エア・ストリーム』を初採用しており、グリル・バーとその内部に組み込まれたエア・フラップが通常時は空気抵抗を減少させるため閉じているが、エンジンやブレーキに冷却が必要な際には自動的に開いて冷気を取り込む構造となっている。
モーション・コントロールを採用
またLEDヘッドライトの2倍の照射距離を実現した『レーザー・ライト』や、3Dカメラでドライバーの手の動きを認識、車載コントロール・システムの操作が可能な『ジェスチャー・コントロール』、リモコン操作で車外からクルマの駐車を行う『リモート・コントロール・パーキング』など、量産車初の革新的機能を満載。まるで映画『007』の世界だ。
|
|
走りの面では、前後輪に全車オートレべリング付きエア・サスペンションを採用。
ステレオ・カメラが路面の凹凸情報を検知してリアタイムにサスペンションを調整、快適な走行を実現する『エグゼクティブ・ドライブ・プロ』を標準装備しており、ドライビング・ダイナミクスと、しなやかな乗り心地を高次元で両立している。
全車エアサス仕様で車高の上下可能、自動操舵も
時速35km以下の低速走行時にセンター・コンソールのボタン操作で車高を+20mmアップ可能、悪路、段差、傾斜路でのロードクリアランスに配慮している。
また高速走行時やドライビング・パフォーマンス・コントロールでスポーツ・モードを選択した場合には車高が10mm下がり、優れた走行安定性を実現する。
安全面では『ドライビング・アシスト・プラス』を全車標準装備、車線と前方車両を検知して自動操舵を行う“自動運転”を部分実現した。
|
|
インテリアではアンビエント・ライトが落ち着いた室内空間を演出する。
細かい心配りではフロント・アームレスト内のソケットにスマート・フォンやキーを挟むことで、『ワイヤレス充電』が可能となっている。
納車は来年1月開始、その後はPHVもラインナップに?
車両価格は740iが1,217万円〜、750iが1,485万円〜、750Liが1,649万円〜となっており、750iと750Liの納車は来年1月開始を予定している。
また、来年を目処に最大航続距離約40kmのEV走行が可能なPHVモデルもラインアップに加えるそうだ。
強力なライバル、メルセデス・ベンツ『Sクラス』に挑むBMWのフラッグシップ、新型『7シリーズ』。
両車は80年代末期、突出した高品質ぶりと洗練された最新装備で、欧州勢を大いに驚かせた日本に端を発する『レクサス・ショック』の影響を色濃く受け続けており、そして遂には和製高級ブランドを唸らせるまでの装備を身に付けるようになった。
こうした“高級車”を巡る熾烈な“切磋琢磨”はこれからも続きそうだ。
【参考・画像】