睡眠のメカニズムが解明されるにつれ、眠りを科学し、睡眠の質を向上させることに徐々に注目が集まっている。
人生の1/3を睡眠に使っている我々にとって、睡眠の質の向上は残りの2/3の時間を充実させるのに必須な要素だからだろう。
そんな睡眠の最適化に、正攻法で挑んでいるのが『Sleepion』だ。
睡眠研究者が提案する最適な睡眠をサポートするこのデバイスを紹介したいと思う。
「音、光、香り」からサポートする睡眠
この『Sleepion』は“音、光、香り”の3要素を用いて、1番深い睡眠と言われる『徐波睡眠』の状態にいざなうことを目指しいる。
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まずは“音”について見てみよう。音は睡眠導入の段階で大きな役割を果たすといわれており、『Sleepion』では母親の胎内にいるかのような音を意識し、胎内回帰音を12種類搭載している。
次は“光”だ。リラックス効果を高めるため、ロウソクの色味や月明かりの明るさといった伝統的な夜の明かりを再現し、色温度2,700K、明るさ35%でほんのりとあたりを照らしてくれる。この光は入眠状態から深い徐波睡眠へいざなうのに有効とのことだ。
そして最後は“香り”だ。『Sleepion』では、人工的な香料は一切使わず自然由来の香りを大事にしている。一般的にリラックス効果が高いと言われる、ラベンダー・ヒノキ・ゼラニウムといった3種が用意されており、好みの香りを部屋に満たすことが可能だ。
これらの3要素を組み合わせ、『Sleepion』は、より深い睡眠へといざなおうというわけだ。どれもリラックス効果が高いものとしてよく知られているが、これらを組み合わせ、そしてそれぞれを睡眠に最適化することで、深い睡眠に導入することが可能になるというわけだ。
机上の空論ではない
無論、机上の空論というわけではなく、実際に大阪府立大学が20名の女性を対象に行った実証実験では、就寝から睡眠までの時間が平均15.8%短縮し、深い睡眠に至るまでの時間も、16.6%短縮されたとのことだ。
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それも当然、大阪府立大学名誉教授であり、睡眠障害の改善研究の第一人者とも言われる清水教永氏が、この『Sleepion』の理論的なサポートを行っているのである。
プロジェクトのメンバーも社会経験をしっかりと積んだ人が多く、突然現れたスタートアップとは違い、様々な経験の裏付けの元に、こういったデバイスを開発したということがうかがえるだろう。
『Sleepion』は現在クラウドファンディングサイト『Makuake』で資金調達中で、19,800円の出資で1台手にすることができる。
睡眠はまだまだ開拓の余地がある分野だ。様々なデバイスがまだまだ出てくることが予想されるだろう。
その中でどういったデバイスが生き残って行くのか。今後も目が離せない。
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【参考・画像】
※ さわやかなめざめには、心地いい深い眠り。音と光と香りで快眠へ Sleepion – Makuake