残念ながら(?)、テクノロジーの進化はSFアニメの想像力より先に行ってしまったかもしれない。
このデバイスは、腕に巻きつけるだけで、腕だけでなく指の動きも読み取り、さらにバーチャルな触感まで与えてくれるという。
脳波を読み取るヘッドギアや何本ものケーブルは必要ないのだ。
これを使うと、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のゲームにおける、操作の自由度が圧倒的に上がる。また、それ以外にもさまざまな用途で活躍しそうだ。
クラウドファンディングで先行発売
東大発のベンチャー企業H2Lが開発した、触感型ゲームコントローラ『UnlimitedHand(アンリミテッド・ハンド)』というデバイスだ。
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アメリカのクラウドファンディングサイト『Kickstarter』で先行予約を開始し、この原稿を書いている時点で目標額の3倍以上の出資が集まっている。
また、アメリカのテクノロジーメディアイベント『TechCrunch SF Startup Battlefield(テッククランチ・サンフランシスコ・スタートアップ・バトルフィールド)』に選出され、同イベントで製品発表を行ったという。
この『UnlimitedHand』は、腕に巻いて使う装置だ。
モーションセンサーと筋変位センサーを内蔵していて、腕や指の動きを検知し、ゲームに入力することができる。
さらに、電気刺激を皮膚から筋肉に与える“機能的電気刺激”を使うことによって、ユーザーの手の筋肉を収縮させて、ユーザーに擬似的な触感を与えることができる。
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バーチャルな衝撃を感じとれる
これらの新技術によって、ゲーム内のキャラクターをさわったり、ゲーム内での衝撃を感じたりすることができる、というコントローラーなのだ。
これまでのゲームコントローラーは、ボタンを押すなどの操作を行うものが主流だったが、この『UnlimitedHand』を使うことで、より直感的、擬似的な体験をすることができる。
先行予約品の提供価格は、188〜248ドルになるという。2016年3月発送予定だ。
腕に巻くだけでこれだけのことができるとは、驚くべき機能だ。ゲームのためのコントローラーという用途だけでなく、ロボットの操作や操作訓練、動作訓練など、さまざまな目的に使うことができそうだ。
現時点で筆者が気になるのは、実際の動作が仮想現実にフィードバックされるまでのタイムラグだ。このラグがあまりに感じられるようだと、実用にならないのではないだろうか?
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とはいえ、その反応スピードは、今後の開発でどんどん改善されていくだろう。このデバイスが普及すれば、世間で“コントローラー”と呼ばれるものの形態が、大きく変わっていくかもしれない。
【参考・画像】
※ プレス – UnlimitedHand
※ UnlimitedHand: Touch and Feel the Game World – Kickstarter