骨粗しょう症による骨折は、女性の健康寿命と見た目に影響

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2015年10月19日 20:10  QLife(キューライフ)

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10月20日は世界骨粗しょう症デー 骨粗しょう症による骨折は世界中で3秒に1回

社会医療法人 河北医療財団 河北総合病院 整形外科臨床部長 田中瑞栄先生

 骨粗しょう症は、骨の中が「す」が入ったようなすかすかの状態になり、骨がもろくなる病気です。そのため骨折しやすくなり、要介護の原因にもなります。国内の患者数は、1280万人と推定され、予備軍を含めると2000万人ともいわれています。

 「世界から骨粗しょう症による骨折をなくす」ことを目標とした世界骨粗しょう症デーである10月20日に先駆け、日本イーライリリー株式会社が10月16日、「見てますか、自分の背中 骨粗しょう症による骨折が引き起こす女性の健康寿命・見た目への影響とは」と題したプレスセミナーを開催。社会医療法人 河北医療財団 河北総合病院 整形外科臨床部長の田中瑞栄先生を招き、実際の診察現場でしかうかがい知れない、患者さんの本音や実情、悩みなどを踏まえた講演が行われました。

本当に怖い「いつのまにか骨折」にならないために必要なこと

 50歳以上の女性3人に1人が骨粗しょう症で骨折をしているという報告があります。しかもそのうち80%の患者さんは、骨粗しょう症と診断されておらず、治療を受けていません。また50歳以上の女性の骨粗しょう症に対する意識調査では、将来の骨粗しょう症リスクを認識していたのは15%と、患者教育の必要性が示唆されています。

 骨粗しょう症は、骨の密度が低下することで弱くなり、骨折のリスクが高くなるのが特徴です。もっとも骨折しやすいのが背骨で、円背(えんばい)になり胸部や腹部に負担がかかるだけでなく、スタイルが悪くなる、洋服が着こなせなくなることもおきます。また足の付け根を骨折すると、手術が必要になる、歩けなくなる、寝たきりの原因にもなります。

 骨粗しょう症の予防は、運動、食事、日光浴が重要です。骨の構成に必要なカルシウム、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、骨にカルシウムを吸着させるサポートをするビタミンKが大切な栄養素です。また、骨を壊す細胞の働きを弱める薬、骨を作る細胞の働きを強める薬、骨の代謝バランスを整える薬など、骨粗しょう症の治療薬もさまざまあり、それぞれの患者さんに応じたテーラーメイド治療を継続して行うことが大切です。

 「背が縮んだ、背中が曲がった、腰の痛みはありませんか。もしかしたら背骨が気づかないうちにつぶれてきているかもしれない“いつのまにか骨折”かもしれません。専門医を受診し、適切な診断と治療の開始、そして継続が重要です。美しさの基本は健康です。外見だけでなく体の中も美しくなり、きれいな背中を保ってください」と田中瑞枝先生はいいます。

 また、骨粗しょう症になり一度骨折すると次々に骨折を繰り返す、骨折の連鎖に陥る可能性が高くなります。QOLを損ねる前に、美容に影響がでる前に、いつのまにか骨折していたということのないように骨密度の検査を受けてみてはいかがでしょうか。(QLife編集部)

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