SF映画の名作として世界中の人々に愛されてきた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ。
ストーリーは主人公のマーティが親友の科学者ドクのタイムマシン実験を手伝ったことから、過去や未来へ次々とタイムスリップし、様々な出来事に遭遇するというものだが、シリーズ2作目の『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』では2015年10月21日、つまり当記事公開のまさに“今日”にタイムスリップしてくる場面がある。
そのシーンでは、当時観た人が驚くようなテクノロジーや笑ってしまうような出来事が多く描かれていたが、実際の“今日”2015年10月21日では、どこまで“その世界観”が実現されているのだろうか?
当時の人々をワクワクさせた空想上のテクノロジーが現実に
まずテクノロジーの面から考えてみよう。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』に出てくる発明の中では、“指紋認証”や“ホログラム”などが実際に広く普及している。
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“指紋認証”はiPhone 5の登場以降、コンシューマーが日常的に触れる機器でも採用されており、もはや人々にとって身近な存在となった。
また、“ホログラム”は、コンサートやアトラクションなどで使われている。
例えば、アメリカを代表するアーティストであり、人気絶頂のさなか25歳という非常に若い年齢でこの世を去ったラッパー2Pacは、ライブステージ上で“ホログラム”を通して“復活”した。
そういったシーンだけでなく、日常生活でホログラムを気軽に使える日も近いと感じるような発明も増えてきている。
また、レクサスが発表した“ホバーボード”やナイキが発表した“靴紐が自動で閉まる靴”、さらにはトヨタが進める“空飛ぶ自動車”も“AeroMobil”という試作機が発表されているほどだ。
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その他、今では当たり前となった“タブレット”や“テレビ電話”なども登場している。
流行や出来事の予測は科学よりも難解!?
次に出来事の面を考えてみよう。
劇中の出来事では“弁護士制の廃止”や映画『ジョーズ』の19作目公開、ネクタイを二つ付けることやポケットを外にたらすことの流行などなど、流石に現実とかけ離れているものが多くなっている。
しかし、出来事の中では偶然とは思えない事がいくつか存在している。
まず劇中では「アメリカのメジャーリーグでシカゴ・カブスが優勝する」と言われていたが、現時点でカブスはリーグチャンピオンシップ(優勝決定戦の一つ前)まで進出しており、100年以上優勝から遠ざかっていることや公式戦の三位という順位からここまで進んだこと考えると、専門家でも想像し難いような大躍進だ。
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さらに「アメリカ初の女性大統領が誕生する」という点では、大統領選でヒラリー・クリントン前国務長官が立候補している。
大統領選は2015年ではなく来年に行われるが、女性議員が民主党の代表となり他の候補者と争っているだけで、充分に凄いことだと言えるだろう。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は発明家のバイブル
以上のことから、テクノロジーの面では“自動でサイジングをしてくれる洋服”や“天気を確実に当てる機械”以外は、ほとんどと言って良いほど実現しており、技術の進歩が驚くべきスピードで進んでいることや、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』をはじめ、このシリーズが現実の発明家達のバイブル的な存在となっていることがわかる。
この流れを考えると数十年後の“画期的な発明”は、今のSF映画をヒントにして作られていく可能性も充分にあると言えるだろう。
この『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの中には、まだ多くの人が見逃しているような“預言”がもっともっと隠されているかもしれな。
そういった視点でこの名作を観るのも面白いかもしれない。
【参考・画像】
※ LEXUS、グローバルブランド広告キャンペーン「AMAZING IN MOTION」第4弾「SLIDE」で、ホバーボードの全容を公開 – TOYOTA Global Newsroom
※ Levranii / Shutterstock