スマートフォンを使うことで、精密で安価な3Dスキャナーが実現!

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2015年10月21日 18:20  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

ついに3Dスキャニングさえ自宅で簡単にできてしまう時代が到来しそうだ。

スマートフォンを使うことで、精密なスキャニングが可能でありながらリーズナブルな価格設定の3Dスキャナー『eora 3D』が、現在クラウドファンディングサイト『Kickstarter』で先行予約を受付中だ。

緑色のレーザーを使用

3Dスキャナーは、立体を計測してその3Dデータを作る装置だ。もちろんこれまでもさまざまなタイプのものが存在した。

しかし、『eora 3D』のスタッフによれば、15,000ドル(約179万円)以下のものには正確さは期待できなかったという。

『eora 3D』のスタッフは、精密な計測が可能で、それでいて計測スピードは速く、持ち運ぶことができ、何より安価な3Dスキャナーを開発しようと考えた。

そしてできあがった『eora 3D』は、100ミクロン以下の精度を誇るという。

5分以内に800万ポイントの計測ができる。1mの距離まで計測でき、キャプチャーできるサイズは、約1平方メートルだ。

一方、キャプチャーしたデータをつなぎあわせることで、もっと大きいものの3Dデータを作ることもできるのだという。


動画を別画面で再生する

この『eora 3D』のもっともユニークな特徴は、緑色のレーザーを使っているところだという。

これまで一般向け3Dスキャナーは赤色のレーザーを使うことが多かった。デジタルカメラのCMOSセンサーは、赤色より緑色の感度は2倍もいいが、その分緑色レーザーは赤色レーザーに比べてコストが3倍にもなってしまうせいだ。

しかし、『eora 3D』は、スマートフォンを活用し、スマートフォンに様々な仕事をさせることで、3Dスキャナー本体のコストを大幅に削減することができた。そのために緑色のレーザー光を使いつつ、価格を低く抑えることに成功したのだ。

スマホ活用で操作も簡単

また、スマートフォンを使っているため、計測したデータはすぐに画面で見ることができる。

加えて、計測作業そのものも、専用アプリを使って手順をガイドしてくれるので、一般ユーザーにとっても簡単になっている。

アプリ内でデータをつなぎ合わせることができるため、ターンテーブルは必要ではないものの、Bluetoothでコントロールするターンテーブルもオプション設定される。

小さいものをスキャンする場合は、ターンテーブルを使ったほうがやはり楽だという。

この『eora 3D』は、『Kickstarter』における先行予約で、最初の150個が199ドルで販売されていたが、それはすでに売り切れとなり、当原稿執筆時点では、『eora 3D』単体が229ドルから、『eora 3D』とターンテーブルのセットが289ドルから購入可能となっている。

発売後の小売価格は、『eora 3D』が330ドル、ターンテーブルとのセットが399ドルになる見込みだ。

すでに3Dプリンターは続々と一般ユーザー向けのものが発売されている。さらに3Dスキャナーも安価に手に入るようになると、容易に立体の複製が可能になる。

近現代のテクノロジーは、撮影や録音、印刷などの技術によって、さまざまなものの複製を実現してきたが、ついに立体(サイズや構造はかぎられるが)にもその波が押し寄せるのだ。

これからの文化は立体のデータをどのように消費するのだろうか?

3Dスキャナーの普及は、またひとつ、文化、テクノロジー、産業のひとつの転換点となるかもしれない。

【参考・画像】

※ eora 3D

※ eora 3D | High-Precision 3D Scanning on Your Smartphone – Kickstarter

【動画】

※ Cup Sample Scan – YouTube

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