モバイル専用端末『ドルフィンブラウザ』を開発するドルフィン・ブラウザ株式会社が、iOSのWebブラウザSafari向けの広告ブロックアプリ『AdBlocker Pro』(360円)と、無料版の『AdBlocker』をリリースした。
このアプリをインストールすると、簡単な設定後、SafariでWebサイトを表示した際にバナーやポップアップ広告などを非表示にできる。
また、広告を非表示にすることでデータ通信量を大幅に削減できるほか、Webサイトの表示スピードをアップできる。
なお、『AdBlocker Pro』と『AdBlocker』は基本的には同じ機能が使えるが、『AdBlocker』はひとつ古いバージョンでの提供となる。
ユーザーにとってはいいことづくめだが……
このアプリを使えば、iPhoneやiPadを使っているユーザーにとっては、わずらわしい広告が表示されないのは、Webページが見やすくなるだけでなく、データ量削減、表示スピードアップといいことばかりだ。
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しかし、広告により利益を得ている企業などにとっては、死活問題とも言える。
お金をかけていろいろなWebサイトに広告を出稿しても、読まれないのであれば広告を出す意味がない。
問題になるのは、広告を出稿している企業だけではない。広告を表示して収入を得ているWebサイトにも影響が出るだろう。
広告出稿がなければ、運営の存続が危ういメディアも出てくるかもしれない。
特に近年は、スマートフォン向けサイトのPV比率が高くなってきており、どのWebメディアもスマートフォン向けサイトへ力を入れている。
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もちろん、広告プランもスマートフォン向けに特化したものを用意しているところもあるだろう。
バナー広告の時代から記事広告の時代へ
このまま、広告ブロック機能がさらに広まってくると、Webサイト上にバナー広告などはなくなっていくかもしれない。その代わり、記事広告が増えてくるのではないだろうか。
現在でも、大手Webメディアはバナー広告から記事広告での収入モデルへとシフトしているところが多い。
広告主もメディア側も、良質な記事広告のほうがバナー広告よりも効果があると感じているのだろう。
もしかしたら、あと数年したらバナー広告というものは過去のものになり、Webから消えてしまうのではないだろうか。
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それがいいのか悪いのかはわからないが、Webの世界の移り変わりはスピーディだ。このあと数年で、どう変わるかは誰にも予想できないし、予想以上に進化するはず。
もはや記事広告も“ステマ問題”などが出始めている。
1年後には“ステマ記事ブロック機能”が搭載されたWebブラウザが登場しているかもしれない。
しかし、良質な記事広告が増えて、豊かなWebメディアが育つのなら、そんな機能も必要なのかもしれない。
【参考・画像】
※ iOS Safari専用アドブロックアプリ「AdBlocker Pro」リリース!
※ AdBlocker Pro
※ AdBlocker
※ StockLite / Shutterstock