過去8年で約24%上昇、健康保険料負担の引き上げに高まる不安
画像はリリースより健康保険組合連合会が、20〜70代の男女1,200名に対してアンケートを実施。健康保険制度に対する関心について調査したところ、約8割の人が日本の健康保険制度に不安を抱いていることが分かりました。
健康保険料に対する印象について、回答が最も多かったのは「健康保険料は高いと思う(「そう思う」と「ややそう思う」を含む、以下同)」で69.6%。「最近、毎年健康保険料が増え続けている気がする」と回答した人も63.1%に上りました。
実際に、「平成27年度健保組合予算早期集計結果の概要」では、2015年度の保険料率は前年度から0.159ポイント上昇。被保険者一人あたりの年間保険料の推移(平成26年度健康保険組合決算見込の概要)を見てみると、過去8年で増えた保険料負担はなんと91,910円となっており、2007年度と比べて約24%も上昇しています。
若年層ほど医療保険制度への関心は低い
保険料上昇の要因として大きいのは、失業や所得額の低下による保険料収入の縮小と、高齢者の医療費増大です。2014年度は保険料率の引き上げと景気好転によって黒字化しましたが、それまで7年にわたって赤字財政が続いていました。
そんな日本の健康保険制度に関して前出のアンケートでは、「将来的に制度が維持できるか不安」とする声が80.8%、「将来、自分も制度の恩恵を受けられるか不安」が74.9%となっており、多くの人たちが不安に感じていることが分かります。
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世代別に関心度の高さを見てみると、70代の50%以上が「関心がある」と回答したのに対して、20代で「関心がある」と回答したのは18%に留まっており、若いほど関心が低くなっています。これは、若い人たちが健康であるがゆえに、健康保険制度の恩恵を受ける機会が少ないことが要因と思われます。
人口ボリュームの大きい団塊世代が高齢になり、今後ますます医療費の増大が見込まれます。少子化によって労働人口が減少していく中で、この膨大な医療費を賄っていくためには、若い人たちの就労率や所得額の向上が不可欠です。健康保険制度そのものの改革を含めて、今後の動向が注目されます。(宮坂方子)
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- 健康保険組合連合会 プレスリリース