米ヤマハ新会社CEOに訊く自律ライダーロボへの思い 東京モーターショー初出展

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2015年10月29日 14:40  KAI-YOU.net

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米ヤマハ新会社CEOに訊く自律ライダーロボへの思い 東京モーターショー初出展
10月29日(木)から11月8日(日)にわたり、世界中の自動車メーカーが集結する「東京モーターショー2015」が、東京ビッグサイトにて開催されています。KAI-YOU編集部では、一足お先に10月28日のプレスデーにお邪魔してきました!

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初日から大勢の人々が新製品の発表に押し寄せていた「ヤマハ」ブースでは、二輪車を中心とした新車種の発表に加え、二輪車を自動で操縦するヒト型自律ライディングロボット『MOTOBOT Ver.1』が国内初お披露目。




8月にアメリカのシリコンバレーに設立されたばかりの「Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley Inc.」にて開発が進められている本製品。会場ではプロモーション動画も公開され、数ある魅力的な新製品の中でも特に注目を集めていました。

そして発表会後には、同社のCEO/マネージングディレクターをつとめる西城洋志さんへのインタビューも!



『MOTOBOT Ver.1』とは?




『MOTOBOT Ver.1』は、ヤマハのモーターサイクル技術とロボティクス技術を融合した新型ロボット。スピードやエンジン回転数、姿勢といった情報をもとに、6つの駆動装置を制御し自律的に二輪車の運転操作を行います。



高精度GPSなどを利用した自車位置を認識する技術や機械学習を通して、サーキットコースの最適なラインやマシン性能の限界を判断し、走行を重ねることでラップタイムを向上。

そういった研究開発過程で得られた要素技術をもとに、車両開発や新規ビジネスの開拓などに活かしていくとのこと。「Ver.1」という名前の通り、現在も時速200kmを超えるサーキット走行を目指し、研究・開発が進められているそうです。

ヒト型ロボットですべての乗り物が自動化される




『MOTOBOT Ver.1』の開発に携わっている、「Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley Inc.」のCEO/マネージングディレクター・西城洋志さんにお話をうかがいました。

──『MOTOBOT』はいつ頃から開発がスタートしたのでしょうか?

西城洋志(以下、西城) 今年の頭ですね。我々にとってひとつのチャレンジでもありましたが、短い期間でとにかくやりきろうと、あえて非常に困難な高い目標を立てることで開発者の意識を高ぶらせたかったというのもありまして。

今回この「東京モーターショー」で展示されている『MOTOBOT』も、まだ最終目標にまで達していません。でも、この時点で公開しようと思ったのもそういった理由があるからなのです。

──『MOTOBOT』をヒト型ロボットとして開発した理由とは?

西城 すべての乗り物は人が乗って操作できるようにつくられているわけですから、ヒト型ロボットというのが実現すればすべての乗り物が自動化されるのではないかと。これはあくまで可能性の話ではありますが、そういった狙いがあります。

このようにどんな乗り物にでも乗れるロボットをつくることで、今積極的に取り組まれている自動車の自動運転とは違う形でのアプローチを試みています。

──『MOTOBOT』には車両操作以外の機能はあるのでしょうか?

西城 いえ、「特化・超越」というのがこのロボットのコンセプトなので、歩くこともしゃべることも、声を認知することもできません。でも、サーキットでバイクを運転させたら超速い! というのがポイントになっています。



──具体的にどのような用途に役立てたいとお考えですか?

西城 例えば二輪車の開発は、テストライダーが何度も乗ることで何らかの感触を得て、それを開発者にフィードバックしていくというサイクルで行っているのですが、やはりライダーのスキルに依存する部分がある。それにトライ&エラーが多かったり、なかなかテストの結果を可視化できない部分もあります。

ですが、このロボットをそういった用途に利用することで、それらを可視化できる可能性が上がります。そして、我々のキャッチフレーズである「人機官能(ヤマハ独自の開発思想。「人」と「機械」を高い次元で一体化させることにより、「人」の悦びや興奮を生み出す技術)」のミステリーを解明することができるのではないかと思っています。

──今後の実用化に向けてさらに盛り込んでいきたい機能などは? 

西城 まずは2017年にバレンティーノ・ロッシ(イタリアのオートバイレーサー)と同じ、もしくはそれを超えるラップタイムを叩き出すのが目標です。

その過程で得られる人工知能やマシンラーニング、自車位置特定といった新たな技術を、さまざまな車両などに取り入れていったり、この人型ロボットによる自動運転の可能性もさらにつきつめていきたいと思っています。

まだ生まれたばかりの彼ですが、皆さんにはぜひ今後の成長を温かく見守ってほしいですね。そして、2017年にサーキットを疾走する『MOTOBOT』を見ていただきたいなと。

※記事初出時、記事タイトルと本文中に誤解を招く表現がございました。読者の皆様および関係各位にお詫び申し上げるとともに、慎んで訂正いたします。

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