2015年の10月21日は『バック・トゥ・ザ・フューチャー2の日』という事で、この映画を再び鑑賞したという人も多いのではないだろうか。
この日、世界ではタイムマシン『デロリアン』の再現イベントに始まって、TOYOTA『MIRAI』の米国仕様車がガルウィングに変身したり、Googleではこの日に合わせてタイムマシンのデザインが流出(?)したりと、この映画のファンでなくても楽しめるような企画が世界中で開催されていた。
だが、多くの企業がこの日を楽しんでいる中で一社だけが“本気”で劇中のアイテムを正式発表していたことはご存知だろうか?
独自技術を駆使し忠実にデザインを再現
その一社とはスポーツブランド「NIKE」のことで、「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」に登場する「紐を自動で結んでくれるシューズ」を21日に正式発表した。
この製品は『NIKE MAG』というアイテムで、映画に登場するシューズとはカラーリングが異なるものの、クラシックなバスケットシューズ風のデザインやロボットのような独特な音を発して電動で紐が締まるという作りは”完璧に近い”と言って良いほど再現されている。
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靴紐部分には『Power Laces(パワーレース)』というNIKE独自の技術が採用されており、靴を履く人の動きを検知してフルオートで最適な締まり方を調節してくれるというものになっている。
また『NIKE』のロゴ部分やくるぶしの所、ソール部分にライトが埋め込まれているので操作によってライトアップさせることも可能となっているようだ。
NIKE MAGの売り上げも「未来のために」使われる
出来上がったプロトタイプの『NIKE MAG』は、まず映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの主人公であるマーティ・マクフライを演じたマイケル・J・フォックス氏のもとへ届けられた。
彼の公式ツイッターでは『NIKE MAG』を着用する動画が公開され、世界で初めて“紐を自動で結んでくれるシューズ”を履いた本人も満足した様子だった。
しかし『NIKE MAG』の凄いところは機能だけには収まらない。
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このシューズは数量限定でオークションにより販売される予定だが、その売り上げ全額がパーキンソン病の研究費として寄付されることになっている。
なぜこのような方式が取られたかというと、実はマイケル・J・フォックス氏自身が30歳からパーキンソン病と闘病しており、その経験を活かすべく『マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団』が設立された。
その彼の運動に感銘を受けたNIKEはこの機会に彼の財団に売り上げ全額を寄付することを決定したという。
この日に向けて、多くの企業が様々な未来の発明を発表させてきたが、新たなチャレンジには困難が付き物である。
「その困難も将来的に打開できれば」というNIKEの今回の一連の動きは、映画のテーマである“未来”という事と、一番真摯に向き合っているように感じられた。
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【参考・画像】
※ THE 2015 NIKE MAG – NIKE