昔ほど手書きする機会は多くありませんが、それでも冠婚葬祭での記帳をはじめ、人前で何かしら文字を書くことってありますよね。そんなとき、あんまり汚い字は他人に見られたくないもの……。そこで、『「ありがとう」がきれいに書けるペン字練習帳』の著者で、書道の師範でもある千葉素舟さんに、いざというとき、下手な字でもきれいに「見せる」コツを教えてもらいました。
●漢字は大きめ、ひらがなは小さめに
「漢字とひらがなを同じ大きさで書くと全体的にバランスが悪く、見た目にも美しくありません。画数の多い漢字は大きめ、少ないひらがなは小さめにすることで、文字の大きさが整い、きれいな字に見えます」(同)
●縦書きのときは文字の中心に一本の線が入るように意識
「一文字目を縦に二等分した場合の中心から、それ以降の文字の中心がずれているとあまり美しく見えません。縦書きの場合は、文字の中心にまっすぐな一本の線が入るように意識して書きましょう。こうすると左右のバランスが整い、きれいに見えますよ」(同)
●横書きはアンダーラインが引かれていると意識
「全体が傾いてしまった場合もまたきれいに見えません。横書きのときは、アンダーラインが引かれているつもりで、そのラインに文字の底辺が揃うように書くといいですよ」(同)
●文字単体は垂直線を心がける
「文字単体に縦系の線がある場合、平仮名の『あ』を例に例えると、最初の一画目の縦棒の始点と終点はアンダーラインに対して真っすぐ垂直線の上になるようにすることをこころがけることが大切です。文字ひとつひとつが曲がっていると、いくら文章全体を整えても全然きれいに見えません」(同)
「たとえば、自分だけが見るメモ書きや、書類にふせんで『確認お願いします』など、ちょっとしたものを手書きする機会というものは日々あると思います。そのときにこれらのポイントを意識して、ゆっくり丁寧に書くようにすれば、字は自然ときれいになっていきますよ」(同)
自分は字が汚いから…と手書きを避けてきた人も、ぜひ、ふだんからこれらのコツを取り入れてみてくださいね。いざというとき、きれいな字を披露できると思わぬところから高評価を受けたりするかもしれません。
(相川綾香/コンセプト21)