【スマートモビリティシティ2015】アプリに後付け太陽光ブラインド、運転支援システムなど注目ポイントがいっぱい

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2015年11月03日 21:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

ただ今開催中の『東京モーターショー 2015(10月30日〜11月8日・東京ビッグサイト)』と同時開催されているのが『スマートモビリティシティ 2015』だ。

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『スマートモビリティ』とは、環境に配慮しながら、効果的で快適な移動を実現する新しい交通手段やシステムなどを構築する新しい試みのこと。

クルマはもちろん、インフラやアプリ、関連アイテムなど様々なものが関わってくるのだが、今回のショーにも、各出展メーカーがいろんな提案を行っていた。

それらの中で、筆者が注目したものを幾つか紹介しよう。

「新型プリウス」に運転支援システム

まずは、トヨタ。

国内で初お披露目された『4代目プリウス』に、運転支援システム『ITSコネクト』を採用したことを発表。そのシステムの概要を展示している。

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すでに、クラウンやレクサスRXに導入されているこのシステムは、路車間・車車間通信を活用し、クルマのセンサーでは捉えきれない情報をドライバーに知らせるものだ。

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『ITS』とは、高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems)のこと。

車両に搭載された通信装置、または交差点・信号機に設置された通信装置を使用し、周りのクルマや人の存在などを、道路とクルマ、またはクルマ同士の通信により検知する。

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例えば、交差点の右折時に、直進車や横断歩道にいる人を道路情報より取得(DSSS=路車間通信システム)、見落としている場合には警告表示とブザー音で警告する。

また、クルーズコントロール時に、先行車が通信利用型レーダークルーズコントロール対応車であれば、車車間通信で得た情報により(CVSS=車車間通信システム)、車間距離や速度の変動の変動を抑えたスムーズな走りなども可能だ。

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事故防止などが目的のこのシステム。トヨタでは、搭載車種を順次増やす方針だ。

「アウトランダーPHEV」を走る蓄電池に

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三菱ブースでは、プラグインハイブリッド車、『アウトランダーPHEV』と接続させることで、クルマを走る蓄電池にできるシステムを公開している。

システムの要は、三菱電機で開発したEV用パワーコンデショナ『ENEDIA(エネディア)』だ。

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通常の電力会社から購入した電力の他に、太陽光発電パネルで発電した電力も取り込んで、家やクルマに送り込むことができるのがこの装置だ。

メリットは、例えば、日中に太陽光発電パネルでつくった電気をEVやPHEVへ供給、クルマの蓄電池にためる。

そして、夜間はクルマにためた電気を家で使うことができる。クルマから家に……『SMART V2H(スマート・ビークル・トゥー・ホーム)』という発想でつくられたシステムなのだ。

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災害などによる停電時も、クルマに電力さえあれば家での使用が可能。『アウトランダーPHEV』の場合、満充電でだいたい一般家庭で使う10日分の電力を蓄えられるという。

問題は価格だが、ENEDIAが約95万円でアウトランダーPHEVが3,596,400円〜。それに施工費。

もちろん、国からの補助金はある。利用すれば、ENEDIAは約半額に、『アウトランダーPHEV』は29万円が補助されるが……。普及には、まだまだ時間がかかりそうだ。

カーシェアリング案内アプリ

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ナビアプリでおなじみ、NAVITIMEのブースには、将来的な都市部でのカーシェリング普及を見越した、音声案内アプリを展示している。

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展示では、タブレットにインストールしたアプリが、利用者が行きたい場所への行き方や、途中で航空機や電車などを利用する場合のチケット購入から乗り継ぎ方法などを音声で案内。まだ試作品だが、完成すればちょっとした人工知能(A.I.)になる?

ガラスの開放感そのままに太陽光発電する「ブラインド」

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旭硝子のブースには、窓ガラスへ後付けで太陽光発電用モジュールを付けられる『アトッチ』を参考出品している。

すだれ状のセルをガラスに垂らすため、見た目にはブラインドを降ろしたような感じになる。

内側から外を眺めることができるので、ガラスの開放感はそのままに太陽光発電ができるのだ。作れる電力などは不明だが、なかなかのアイデア商品だ。

パンクしないエアレスタイヤ

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ダンロップでは、エアレスタイヤ『ジャイロブレイド』を展示。

通常ホイールのスポークとなる部分もタイヤの一部分とするなどで、剛性を確保。空気充填のメンテナンスが不要で、パンク知らず。

カラフルなスポークデザインを楽しめるという、新世代のタイヤだ。

自動運転用アイテムなど他にも見所いっぱい

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その他にも、日産は自動運転システムを搭載したコンセプトカー『IDSコンセプト』のイメージムービーを放映していた他、パイオニアの新型ヘッドアップディスプレーや自動運転用デバイスなど、見所がたくさん。

『スマートモビリティ』の未来はもうすぐそこ……いずれの展示も、そんな実感が味わえる充実した内容だった。

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