福島から日本のエネルギーを変えよう!三春町のコミュニティショップを「ソーラーハブ」に、国際環境NGOが後押し

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2015年11月04日 23:00  FUTURUS

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福島県は、2040年までに再生可能エネルギーを100%導入することを宣言したという。

海外ではアイスランドやノルウェーなど、ほぼ再生可能エネルギーだけで電力を自給している国もあり、市や町単位では、欧州を中心に数多くある。実現可能なことなのである。

何より、原発事故という未曽有の困難を経験している福島の人たちが、「自分たちの使うエネルギーは自然エネルギーで」と考えるのは当然かもしれない。

その福島で、またひとつ小さいながらも希望のプロジェクトが生まれた。

福島県三春町のコミュニティショップ『えすぺり』に、太陽光パネルをつけ、地域の人たちが自然に寄りそう暮らしを考える場所にしようと、国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンが地元住民に協力してクラウドファンディングの募集が始まった。

福島の希望「えすぺり」

『えすぺり』を営む大河原伸、多津子さんご夫妻は、30年前から福島県田村市で有機農業を行っている。

震災後は農産物の売上も激減、畑の土も除染のため、表土をはぎ取るか決断しなければならないという苦境に立たされたが、幸いにも山の陰にあった畑は放射線量も低かった。

有機農法の要でもある長年手塩にかけて育んできた表土は、下の土と反転させることで乗り切ったという。

それでも当時は、福島の農作物はなかなか売れないという現実があった。

「どうせ作っても売れない」と考える農家さんが多い中で、なんとか自分たちで町を元気にしていきたいと、2013年、地域の農産物や加工品を販売する『えすぺり』をオープンする。

販売する際には、農産物や加工品はすべて自分たちで放射線量を測定し、それを公表して販売している。

<ここにはたくさんの人が来ます。子供たちの健康不安をかかえたお母さんはここに来るとほっとする、と言ってくれる。モノを販売するだけでなく、いい意味の溜まり場、情報交換の場になっています。>

経営者の大河原多津子さんは、『えすぺり』が地域の人にとって、交流の場になっていると話す。そして、ここに太陽光パネルが導入されれば、自然エネルギーについて体験したり、学べる場になるのではと期待する。

自分たちが望むようなエネルギーで暮らせるようにするにはどうすればいいのか、どんな方法があるのか、具体的に知りたいと考えている福島の人は多いという。

それについても、大河原さんご夫妻にはたくさんのプランがあるようだ。

<たとえば人形劇や紙芝居で自然エネルギーのことを学ぶ機会を作ったり、ソーラークッカーでの調理やソーラー玩具など、自然エネルギーが身近になるようなワークショップなどをやってみたい。

何よりも地域の人たちが知りたい情報を発信し、共に進んでいけるような拠点にしていきたい。>

と、多津子さんは話す。

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンが進める「ソラライズふくしま」とは?

今回、このソーラーパネル設置にかかわるクラウドファンディングを後押ししている、国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンと大河原夫妻の出会いは、福島第一原発事故直後に行われた土壌の放射線量の調査からだという。

同NGOでは、

■1:自然エネルギーを増やす ■2:日本から原発をなくす ■3:福島の現状を世界に発信し続ける

という3つの活動方針を『エネレボ』(エネルギーレボリューション)のキャンペーンの中で示している。

今回の試みはその一環でもあり、市民の力を活かし、福島県に自然エネルギーを普及させるという共同プロジェクトを『ソラライズふくしま』と名付けた。

同NGOでは、今回大河原夫妻のビジョンに、また福島のエネルギー政策に共感し、初めてクラウドファンディングという手法を用いて協力することとなった。

同団体の林 恵美さんは「今回のプロジェクトを成功させ、福島県に『えすぺり』のような自然エネルギーのモデル拠点(ソーラーハブ)を増やし、福島から日本のエネルギーを変えていくことを後押ししたい」と、今回のプロジェクトの狙いを説明する。

今回のクラウドファンディングは、店舗『えすぺり』につける約10kWの、ソーラーパネル設置に必要な費用約350万円のうち120万円を全国から募集する。

サポーターには支援額に応じて、野菜や焼き菓子のプレゼント、ソーラーパネル設置後のパーティーへのご招待などが用意されている。期間は、11月24日(火)まで。

来年3月で東日本大震災から5年がたつ。大河原さんが言う「福島が前に進めるような、希望をもてる場所になってほしい」という願いを、全国からの応援でかなえたい。

東京・西日暮里の『From a&e カフェ』(フロマエカフェ)にてイベント開催が決定。

東北地方をはじめ、全国のコミュニティで盛んになっている、自然エネルギーの取り組みを取材するフリーライターの高橋真樹さんと大河原伸さんの対談で、自然エネルギーが福島をもっと元気にする可能性を探る。

・日時:11/15 (日) 18:00〜20:00 (17:30開場)

・場所:東京・西日暮里 From a&e カフェ

・会費:2,500円(大河原さんが育てた有機野菜を使ったフード、ワンドリンク、500円のクラウドファンディング協力含む)

・定員:25名(先着順)

・参加:参加をご希望の方は、参加人数とお名前をグリーンピース・ジャパン『ソラライズふくしま』の下記メールアドレスまで。

solarise.fukushima@gmail.com

【参考・画像】

※ 福島県三春町からお日さまエネルギーの暮らしを広めたい! – MotionGallery

※ 国際環境NGO グリーン・ピースジャパン

※ From a&e カフェ

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