高校生が乾電池駆動の電車を作り、20キロもの長距離鉄道走行に挑むことは、FUTURUSでもすでにお知らせしたとおり。
そして11月3日、彼らは遂にこの壮大な目標に挑んだ。果たしてその結果はどうだったのだろうか?
パナソニック乾電池エボルタ600本駆動
今回挑戦する車両を製作するのは、川越工業高校電気科の『電車班』。
車両サイズは幅1.5m、高さ2.9m、長さ4mの1両編成。材質は鉄、木材を使い、車両総重量は人員をのせて約2トンにも及ぶが、これを動かすのに使用する単一型電池は、パナソニック乾電池『エボルタ』を600本。
それだけで相当な重量、体積であることが容易に想像できる。
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外観デザインは同校『デザイン科』が担当。ここで今回にかける意気込みを動画で振り返ってみたい。
挑戦するのは実際の路線!
今回走行させたのは、総走行距離22.615kmにも及ぶ、秋田県 由利高原鉄道株式会社 鳥海山ろく線だ。
実際の路線だけに、勾配やカーブなど、車両を苦しめる難所が何か所もあったに違いない。特にスタートから上り勾配でなければならない規則だけに、スタート直後から心配だ。
ギネス記録を達成するには、いくつもの条件があるという。
■1: 市販の乾電池のみで車両を動かすこと ■2: 車両だけで700kg以上を要すること ■3: 挑戦中、車両を修理してはならない ■4:“上り坂”方面でスタートすること ■5:距離20km以上のレールを走りきること
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果たして無事ゴールできるのだろうか?
日本のものづくりの将来
車両は2015年11月3日12時32分に鳥海山ろく線の前郷駅をスタート、14時59分頃に20km地点を通過、15時19分にスタート地点の前郷駅に到着し見事ギネス記録を達成した。
なお、この栄えある称号を手にした『電車班』の製作した車両は、11月7日から8日にかけてさいたま市大宮区の鉄道博物館で開催される『第5回工業高校生がつくる鉄道展』で、実際に乗客を乗せて走行する予定とのこと。
ギネス世界記録(R)をもたらした、名誉の車両に乗りたい方は是非スケジュールをチェックして欲しい。
今回の挑戦、高校生が作った車両であることや、電気モーターで動く実際の車両であること、そして22キロを越える実際の路線を走り切ったことは、日本のものづくりの将来を占ううえで、とても大きな意味をもつだろう。
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日本が誇る、類まれなる技術と情熱。
今後もさまざまな挑戦をしてもらいたいと切に願う。
【参考・画像】
※ 世界最長距離鉄道走行チャレンジ – パナソニック
※ パナソニックの乾電池エボルタ「世界最長距離 鉄道走行」チャレンジ〜高校生が製作した車両が22.615kmを走破し、ギネス世界記録(R)を達成 – PR TIMES
※ 第5回 工業高校生がつくる鉄道展の開催について – 鉄道博物館
【動画】
※ エボルタチャレンジ2015 発表会篇【パナソニック公式】 – YouTube