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「禁煙化」とオリンピック。東京都はどこへいく?

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2015年11月07日 21:10  FUTURUS

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FUTURUS

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筆者は子どもの頃、F1が好きだった。新聞のテレビ欄に「F1中継」という文字があると、必ずその時間にテレビの前に座ったものだ。

アイルトン・セナは、もちろん幼い筆者にとってのヒーローだった。

そしてセナといえば、今でも紅白のツートンカラーというイメージが抜けない。マクラーレン時代のマシンのカラーリングだ。

あれは別にマクラーレン固有の色ではなく、タバコメーカーとの契約でそうなっていたということは当時の筆者には分かるはずもない。

それを振り返ると、時代は変わったものだ。もし今、あのツートンカラーのマシンを走らせたら様々な団体から抗議が来るだろう。社会の禁煙化はそれだけ進んでいる。

もちろん、我が国日本も例外ではない。

禁煙か分煙か

東京オリンピックまで、あと5年弱。それまでに都内の禁煙化をより一層進めようという動きがある。

10月23日付の東京新聞の記事に、このようなものがあった。冒頭部分を引用させていただこう。

<たばこの臭いを気にせずに食事を楽しんでもらおうと、全面禁煙にする飲食店が徐々に増えている。

ファストフードのチェーン店が中心で、個人経営の焼き肉店やカフェにも賛同が増える一方、「客足が遠のくのでは」と二の足を踏む居酒屋もある。(東京新聞10月23日付記事より引用)>

カフェやファストフード店などは、以前から分煙化あるいは禁煙化が進んでいるが、個人経営の焼き肉店でも、そういう取り組みがされていることには若干驚きを感じた。

実はこうした“都内禁煙化”の動きは、エンブレム盗用問題の裏で一騒動と化していた。

もう一つ、ニュースを引用したい。8月19日付の産経ニュースの記事だ。

<新国立競技場の建設計画の白紙撤回に揺れる2020年東京オリンピック・パラリンピック。開催を5年後に控え、「喫煙環境」についても波乱が発生した。

会場やレストランなどの屋内施設を全面禁煙にするのか、あるいは分煙環境をより整備していくのか。東京都の条例化めぐって議論が紛糾している。(産経ニュース8月19日付記事より引用)>

医師や禁煙推進団体などは、条例化によって飲食店での禁煙を進めたいという思惑を持っている。

だが飲食店経営者や旅館組合などは、包括的な禁煙には反対している。それよりも分煙施設を設置するべきだ、と。

一言で言えば、“禁煙VS分煙”の構図である。

エンブレム問題の裏で

観光業関係者の間からは、「都が主催した検討会はフェアではない」という声も出ている。

それは確かにその通りだ。このテのアカデミックな検討会や勉強会などに呼ばれる委員は、どうしても博士号を持った人物が選ばれやすい。すなわち医師だ。

だが世の中はドクターの権限だけで動いているわけではない。オリンピックは、あらゆる方面に様々な影響をもたらす一大イベントだ。

「あらゆる業界からの意見を募る」というのなら、博士号という肩書きは考慮されないはずである。

このニュースは、エンブレム問題がなければもっと大きく報道されていたに違いない。だから禁煙推進派にとっても反対派にとっても、そういう意味で運が悪かった。

どのメディアも紙の量には限りがあるから、より大衆の目を惹きやすい話題にどうしても文字数が置かれてしまうのだ。

それはさておき、この“禁煙VS分煙”のデットヒートはまだまだ尾を引きそうである。

ただ、禁煙派はしばしば「欧米の人々はもやはタバコの煙を嫌っている」と語るが、それはあまりに画一的な意見である。

当たり前だがどこの国の出身であれ、吸う人は吸う。「イギリスでは個人宅ではない限り屋内は完全禁煙」だからといって、「イギリス人の禁煙意識が高い」のかといえば決してそうではない。

この国にもアウトサイダー(と言っては失礼だが)はたくさんいるし、そもそも世界のあちこちを旅行して回っているのはそのテの人々が多い。

オリンピックの楽しみ方

さらにもう一つ言えば、日本人と欧米人とでは“オリンピックの楽しみ方”がまったく違う。

日本人は、その競技で繰り広げられるパフォーマンスを手に汗握りながらじっと見守る。

例えば、レスリングをテレビで観る時も、米満達弘のタックルや吉田沙保里のグラウンドテクニックにただただ固唾を呑む。

ところが欧米人の場合は、ビールを飲んで大騒ぎしながら競技を鑑賞する。開催地までオリンピックを観に行くことも、早い話がその延長線上である。

「世界最高水準のプレイを観たい」というよりも、「プレイを観ることで自分自身が楽しみたい」という心理のほうが強いのだ。

もっと言えば、オリンピックはあくまでも“酒の肴”である。オリンピックを“世界唯一のスポーツの祭典”と考えている国は、実は日本くらいのものだ。

イギリス人に言わせればオリンピックがなくなったとしても、サッカーワールドカップやラグビーワールドカップがある。

ペイ・パー・ビューでマニー・パッキャオの試合を観るのもいいし、そもそもイギリス連邦にはコモンウェルスゲームズというものもある。“スポーツの祭典”などいくらでもある。

そうである以上、オリンピックが近いからという理由で「都内の禁煙化を欧米諸国と同じレベルに進めよう」という発想は、いささかピントがずれているのではないか。

それよりも優先すべきは、「あらゆる人々を平等に受け入れる」ということのはずだ。

喫煙者にも嫌煙者にも配慮できる環境整備こそが、最も考慮しなければならない事項であると筆者は考えている。

【参考・画像】

増える全面禁煙の飲食店 たばこに甘い国 返上を – 東京新聞

※ 東京五輪「喫煙環境」でも波乱 「禁煙」「分煙」都条例化めぐり紛糾 – 産経ニュース

※ vetkit / PIXTA

※ raindrop74 / Shutterstock

このニュースに関するつぶやき

  • 悪影響が「わずかにあるのか全くないのかがわからない低レベル放射線」を「ゼロにしろ」と叫ぶのに、悪影響が「確実にあるとわかっている副流煙」を「受け入れろ」という世論の感覚がどうにも理解できません。
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  • この記事を書いたライターの方は、非常にバランス感覚のある人でほっとしました。喫煙が原因で警察沙汰になった私にとって、偏った禁煙推進派は許せない。
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