この運転の情報が、どのように自動車関連サービスと連携していくことになるのだろうか。
クラウドファンディングのサイト『Makuake』で、『DriveOn』というサービスが先行予約の受け付けをはじめている。
これはどういうものかというと、車両に専用のデバイスを接続し、急ブレーキ、急加速、アイドリング等の情報を収集してスマートフォンに送信し、専用のアプリで運転の診断をしてくれるというものだ。
運転診断をしてポイントを付与してくれる
まず、本体は『Smart Drive OBD-II』デバイスとよばれる装置だ。
現代のクルマは、『OBD-II』と呼ばれる、規格の車両診断のためのコネクタを備えている。そこに接続すると、車両のさまざまな情報を読み取ることができるのだ。
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この『Smart Drive OBD-II』デバイスは、そうやって車両の情報(スピード、急加速、急ブレーキ、アイドリング、車内外気温、各種エンジンの異常など)を得て、Bluetoothでスマートフォンに伝える。
スマートフォンでは専用アプリ『Drive On』によって、『OBD-II』デバイスから取得した情報をもとに、毎回の運転を独自の運転診断アルゴリズムにもとづいてスコア化してくれる。
主に急ブレーキ、急加速、アイドリングを減点要素として、エコで安全な走りには相応のポイントを付与してくれるというものだ。
過去の運転はアプリ上でいつでも簡単に閲覧することができ、エンジン系統に異常があった場合なども随時アプリ上で確認できるようになっている。
今回の『Makuake』でのキャンペーンは、一般販売予定価格が9,800円であるのに対し、先行予約特典として割り引き価格で購入ができるというものだ。
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データがどのように活用されるのか?
ところで、こういった機能はそう新しいものでもなくて、筆者が持っている“スマートフォン時代以前”の三洋電機のカーナビにもついている。
もっとも、時代が進んでいるのでより精度が高まっているかもしれないが。
ただ、急加速や急ブレーキはGセンサーやGPSを搭載したスマホなら検知できるはずだし、エンジンの異常は警告灯がついたら整備工場に持っていけばいいだけの話だ。
アイドリングの検知には『OBD-II』デバイスが必要かもしれないが、それだけのために何千円も出して『OBD-II』デバイスを、わざわざ使う理由があるのかという疑問も感じる。
実際運転を診断してくれるアプリというのはすでに存在する。
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余談だが、長時間のアイドリングを避けるなんていうのは良識の問題だろう。加速に関しては、ゆっくり加速すれば基本的に燃費にはやさしい。
ところが、あまり極端だと後続のクルマにストレスを与えることになるので、これもどちらかといえばバランス感覚の問題だ。
ただ、前の信号が赤なのに、なかなかアクセルをゆるめずに、ぎりぎりで急減速をするひとというのはたまにいるので、無意識にそうしている人に運転診断で気づかせるというのは有用かもしれない。
実際のところ、効果はそれくらいではないだろうか。それとも、主要な機能のほかに、なにか有用な情報の活用方法があるのだろうか?
とまぁ、多少釈然としないサービスではあるのだが、興味深いのは、『Makuake』での説明のなかに、
<現段階では、多くの車の走行データや運転・交通パターンを収集・解析していくことにより、正確でリアルタイムな渋滞/事故予測・回避であったり、人々の車にまつわる日常生活をより便利で経済的にするためのサービスを開発しています。
保険、給油、駐車、修理・メンテナンス、買い替え、車検等、あらゆることが横断的に『DriveOn』上で行えるようにしたいと考えています。>
という記述があることだ。交通データ、車両データを取得して、さまざまなサービスを横断的に連携させていくことは、まだまだこれからさまざまな可能性を残している分野だろう。
交通というのは、まだまだ非常に非効率な部分を残している。ビッグデータの活用で、もっとカーライフは快適になるかもしれない。
もちろんそのためには、個人の走行データが収集されることになるわけだが。
【参考・画像】
※ あなたの運転特性をスマホで簡単診断!車のIoTサービス「DriveOn」 – Makuake
※ Drive On
【動画】
※ スマホで簡単に自分の運転が閲覧できる IoTサービス「DriveOn」 – YouTube