あなたはしてない?各国で社会問題になっている「歩きスマホ」の危険性

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2015年11月09日 21:40  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

“歩きスマホ”が社会問題と化している。

スマートフォンという文明の利器が普及すると、今度はそれがもたらす物理的危険性がクローズアップされるようになった。

道を歩きながらのスマホ操作である。もっともこういうことは、スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表する以前から日本では問題視されていた。

2007年までの我が国は、世界随一のハイテク携帯電話普及国だったから、歩きスマホの問題も実は世界に先駆けて発生していた。

今やその問題は世界共通のものとなっている。各国当局は、“歩きスマホ”撲滅へ向けた取り組みを打ち出すのに必死だ。

「歩きスマホ」とスクランブル交差点

先日、JR東日本と大手携帯電話会社が『やめましょう、歩きスマホ。』キャンペーンを共同で開始した。

承知の通り、我が国の鉄道駅は新幹線や一部整備された路線を除けば、ホームからの落下を防止するゲートがないのが一般的だ。

酔っ払いが、線路へ転落して電車に轢かれる、あるいは線路内立ち入りで電車を大幅に遅らせてしまうということは、昔からある話だが、視界が極端に狭くなっているという点では“歩きスマホ”も同様の危険性を孕む。

また、ホームから落ちるのは“歩きスマホ”の本人だけとは限らない。実際にそうした人物に接触され身の危険を感じたという人も少なくないようだ。

さらによくあるのが、スマホを操作しつつ音楽も聴いているというものだ。いわば目と耳が塞がった状態で歩いているのである。まるで曲芸師だ。危険この上ない。

もちろん、これらは鉄道駅だけに限ったことではない。道路上でもこうした光景が繰り広げられているのが現状だ。

そういえば、NTTドコモが面白い動画を配信している。『もしもスクランブル交差点を横断する人が全員歩きスマホだったら』というシュミレーションCGだ。


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青信号点灯の46秒の間に、歩きスマホの1,500人が、一斉に交差点を渡ったらどうなるのかというものだが、これがちょっとしたカオスな状況を生み出している。

衝突や転倒が相次ぎ、最終的に交差点を渡り切った人はわずか500人程度という惨状だ。

マンハッタンでは「3人に1人」

アメリカでも、“歩きスマホ”に関する興味深い調査が行われている。

それはニューヨークの中心、マンハッタンで“歩きスマホ”の人とそうでない人との比率を算出しようという試みだ。この調査も動画があるので、一度ご覧になってほしい。


動画を別画面で再生する

歩行しながら液晶画面を触っている人、音楽を聞いている人、路上で立ち止まってスマホを睨んでいる人などをカウンターで集計していく。

すると、“歩きスマホ”率はおおよそ3人に1人の割合。1,000人の歩行者のうち315人が何らかの形でスマホを操作しているという結果が出た。

アメリカではマスメディアを中心に、“歩きスマホ”の危険性が常々叫ばれている。だがそれが抑止力となっているかという話になると、やはり疑問符がつく。

例えば、ABCのイブニングニュースでは、ダイヤン・ソイヤー女史がアンカーを務めていた頃から、しばしば“歩きスマホ”に関する映像レポが作られてきた。

ここ数年で、この問題が見逃せないものになってきたというのもあるが、何よりもアメリカのテレビニュースはアンカーが最終責任者だ。

映像レポは、ソイヤー女史や現アンカーのデイビッド・ミュアー氏の報道姿勢を表しているものでもある。


動画を別画面で再生する

電話での会話に夢中になるあまり、地下鉄のホームから転落する人がニューヨークでも相次いでいる。

それだけ歩きスマホは、人間の本来の集中力や注意力を削いでしまうのだ。

スティーブ・ジョブズは歩きスマホをしていたか?

そもそもスティーブ・ジョブズは、iPhoneに“歩行中の使用”という想定を加えていなかったのではないか。もちろん確証はないのだが、そのような節がある。

iPhoneが日本の市場に初めて登場した際、恐らく日本人は脳の片隅でこう感じたはずだ。

「なぜこの携帯電話には、ストラップをつけるための穴がないんだろう?」

スマホ登場前の日本では、ちょっとしたストラップブームがあった。中には電話本体よりも重いストラップを付ける人もいたくらいだ。

だがストラップとは、よくよく考えれば「歩きながらの使用を容易にするためのもの」という色合いも強い。スティーブはそれを必要ないと判断し、ストラップの穴をつけなかったというのは穿った見方だろうか。

もちろんスティーブは、余計な華美や装飾を嫌う人間で、スマホの保護ケースすらも好まなかったという逸話は知られた話だが、それ以前に彼はアクション(行動)とフィールド(場所)の適合性を熟知していたはずである。

だからあのスティーブが、“歩きスマホ”を良しとする人間だったとはまったく思えない。彼自身がそういうことをしていた、などという話も聞いたことがない。でなければ、あんな力強い眼光で堂々とプレゼンをする男にはなり得ない。

我々は今一度、スマートフォンとの“本当の接し方”を再考するべきではないのか。

【参考・動画】

JR東と大手通信3社が「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーン開催 – 日経新聞

※ 全員歩きスマホin渋谷スクランブル交差点-もしもスクランブル交差点を横断する人が全員歩きスマホだったら? – YouTube

※ How Many People Can’t Walk Without Their Smartphone? – YouTube

※ Dangers of Distraction: Texting and Walking – YouTube

【画像】

※ blurAZ / Shutterstock

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