DIYバイオハッカーの皆さんに朗報かも。
初心者向けのバイオセンシングプラットフォーム、つまり脳波スキャナーであるOpenBCI製品が、クラウドファンディングの『Kickstarter』で資金調達のキャンペーンを行っている。
製品名は『OpenBCI Ganglion Board』と『Ultracortex Mark IV』だ。
これらの製品により、脳波スキャナーをお手頃価格で手に入れる事ができ、初心者に適したArduino互換のプログラム環境が提供される。
バイオハッカー初心者や学生向けになりそうな製品だ。
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3Dプリンターで手に入れるEEGヘッドセット
『Ultracortex Mark IV』は、3Dプリンターで出力できる調節可能なEEG(脳波)ヘッドセットだ。
全ての『OpenBCI boards』と互換性があり、ドライ脳波センサーを使用している。
OpenBCIとは、人体の電気信号を計測して分析する事ができるハードとソフトのオープンプラットフォームを示す。
分析対象は脳データ(EEG)、筋肉データ(EMG)、心臓活動(ECG)などとしている。
既に世界20カ国以上で、研究者や科学者、エンジニア、アーティスト、デザイナー、そして学生達に利用されながらアップデートしてきたという実績がある。
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OpenBCIの使命は、コンピュータのインターフェイス技術をオープンソースにより革新することで、神経科学とバイオセンシングの、研究開発への敷居を低くすることだという。
つまり、研究者から高校生までといった、誰もが利用できるOpenBCIを作ることだ。
従ってクラウドファンディングを利用する目標も、OpenBCIプラットホームの費用対効果を高め、次世代の研究者や科学者、そしてエンジニア達を支援することだという。
そして透明性が高い支援の状態を維持するために、広く支援を募っている。
また、コストを押さえることで、DIYバイオハッカーにも研究品質のバイオセンシングツールを提供することだともしている。
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さぁ、DIYバイオハッカーへ
一方、『OpenBCI Ganglion』は高品質ながらも手頃なバイオ検出装置だ。EEGだけでなく、EMGまたはECGを測定するための入力装置となる。
オンボードのマイクロコントローラーと無線接続するために採用されたSimbleeは、Arduino互換性がある次世代RFデジタルの無線モジュールだ。
このことが従来製品よりコストダウンと堅牢性を高めることに貢献している。
そして、『OpenBCI Ganglion』は、箱から出してすぐに検知できる様に、汎用性が高いファームウェアで予めプログラミングされている。
さて、『Ultracortex』のデザイン上の特徴として、簡単にヘッドセットの形状やサイズを調整出来ることがある。利用者が実際に手を動かして作業するのは、電極ホルダーをナットで取り付けることくらいだろうとのことだ。
既に、OpenBCIプラットホームは様々な分野で利用されている。ロボット工学、ALS患者のためのインターフェイス開発、補綴学、麻痺がある人の支援技術、ADHDや鬱の治療トレーニングといったシリアスなものから、ゲームやニューメディアアート、生体反応サウンド作り、ウェアラブルセンシングの定量化などなど。
さぁ、我もと思う人は、DIYバイオハッカーに挑戦してみてはいかがだろうか。
【参考・画像】
※ OpenBCI: Biosensing for Everybody by Joel Murphy & Conor Russomanno – Kickstarter
【動画】
※ OpenBCI Kickstarter #2: Biosensing for Everybody – YouTube