筆者が小学生の頃、第二次ミニ四駆ブームというものがあった。
あの時代は、どのモーターを載せれば速い、ここを軽量化すれば速いと周りの友達は言っていたが、筆者自身はどうしてもミニ四駆に興味を持つことができなかった。
理由は簡単で、走行中の操作が一切できないからである。そうである以上、逆転要素が少ないと当時の筆者は考えていた。特に筆者はテレビでF1をよく観ていたから、絶妙な速度加減とコース取りの攻防というものがまったくないミニ四駆は、どうしても面白いと感じることができなかった。
もっとも最近では、そのミニ四駆を実車化し、子供から大人まで幅広い層を興奮させるプロジェクトも実施されるなど、チラホラとその名を耳にすることもあるのだが。
ところが、そんなミニ四駆を何とスマホで操作できるようになったという。
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乾電池を制御する
ノバルス株式会社が開発した『MaBeee』は、言わば乾電池専用のパワー制御装置である。
だが決して大掛かりなものではない。見た目はただのジャケットのようだ。
この『MaBeee』が、おもちゃとスマホをつなぐと同時に電池の出力を調整するのである。すなわち、ミニ四駆のスピード調整を可能にするのだ。
操作方法はスマホのタッチパネルの他にも、スマホ本体を振ったり傾けたりなどの動作で出力調整が可能だ。
1台のスマホを用いて、複数台のミニ四駆の制御も可能というから、この機能を用いた新たな大会ルールも確立するかもしれない。
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もちろん、『MaBeee』は、ミニ四駆専用の装置というわけではない。
単三電池を使用した直列接続のおもちゃなら、どんなものにでも使用可能だ。
未知なる可能性
『MaBeee』の使い方は、これからさらに開拓されていくだろう。
ノバルスの配信している動画にもあるが、電動歯ブラシに取り付ければ正確な時間だけ歯を磨くことができる。子どものブラッシング教育には持ってこいだ。更に、電気スタンドに取り付ければ、子どもの消灯を親が把握できる。
無論、それらのみの可能性には留まらないだろう。現代の発明品はユーザーの手によって進化を遂げるという特徴がある。
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“乾電池を遠隔操作する”という未だかつてなかった機能を活かして、あるいはインスピレーションを得て、天才的なユーザーが新しいシステムを開発してくれるかもしれない。
今の時点では単三電池型の『MaBeee』(単四電池を挿入)のみが登場しているが、今後の状況によっては他のサイズの乾電池にも対応していくという。
スマホという文明の利器が、ついにこのような発明品をも生み出してしまったのだ。
クラウドファンディングでの目標達成
ノバルスは『MaBeee』のさらなる開発に向け、クラウドファンディングサイト『Makuake』で一般からの出資を募っている。
また、顧問にはソニーや経団連といった、名だたる組織を牽引してきたクオンタムリープの出井伸之CEOが就いている。
筆者がこの記事を書いている11月13日時点で、この企画の残り日数は89日。目標品額は50万円。だが既に、270万円もの寄付が集まっている。
8通りの支援コースが揃っているが、そのうちの2通りはもう在庫切れである。
これだけの注目度を発揮した企画も、そうはない。この機会に皆さんも、『MaBeee』に出資してみてはいかがだろうか。
ただし、あまりの人気のため、出資の是非を悩んでいる時間はなさそうだ。
【参考・画像】
※ MaBeee
※ 振って、喋って、傾けて!スマホでコントロールできる電池型IoT MaBeee – Makuake