スーパーマーケットなど、小売店での悩みの種は“売り場”にあるという。
陳列している商品がどこにどれだけ残っているか、実はよく分かっていないからだ。
そして消費者も悩んでいる。欲しい商品はどの棚にあるんだ、と。
毎日棚卸ができるロボ
どの商品がどこにどれだけあるか、という状況はいわゆる棚卸をすれば把握可能だ。
しかし、棚卸はお客がいなくなった時間帯に、社員全員で一斉にやらなければならない。
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当然そんな大変な作業は毎日はできないし、あってはならないが、現実問題として存在する万引き被害が発覚するのもこの時だけである。
棚卸を毎日、いや常にできないだろうか、そうすればストックを切らすこともないし、万引き被害の把握も迅速だ。
それを可能にするのが、Simbe Roboticsが開発した『Tally』と呼ぶ棚卸ロボだ。
『Tally』は別名『セルフ・スキャンニング・ロボ』と呼ばれ、常に棚を監視、品切れが起きないように補充を促すことができる。
ホイールで売り場内を移動し、床から8フィート(約2.4m)の高さまでをスキャンすることが可能。
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それだけではない。売り場マップを利用し自動的にナビゲーション、計画された通りに陳列されているか、置き間違いはないか、綺麗に商品が並んでいるか、プライスタグは見えやすいように設置されているか、内蔵カメラですべて把握、問題があればマネージャーに報告するのだ。
ロボットが「ロボットのための職場」を開拓する
これまで棚卸を毎日、いや常に行うという発想はなかった。
それは売り場が広大かつ商品が膨大で人件費に見合わないからだ。
しかしロボットが巡回、カメラを使って棚卸ができることで新しい職場が生まれた事例だ。まさにロボットにしかできない、ロボットのための職場である。
単純に人間の仕事をロボットに置き換えたのではない、新しい価値を提供している。
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そのうち、買い物もロボットにお任せする時代がくるかもしれない、なにせどの棚にどの商品があるのか正確に分かるのはロボットだからだ。
その時我々人間は、ポテチでも食べながらロボットが買い物し終わるのを待とう。
【参考・画像】
※ Robot Makes Sure Stores Don’t Run Out of Doritos – MIT Technology Review News
※ michaeljung / Shutterstock