意外にも40年の歴史を持つスマートウォッチ。大衆に受け入れられる時は来るのか?

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2015年11月16日 18:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

Apple WatchやAndroid Wearなど、時計にプラスアルファの機能を載せたスマートウォッチ市場がにぎわいつつある。

そんなスマートウォッチだが、どれくらい昔からあるかご存じだろうか?

実はさかのぼること40年、クオーツ時計が市場を席巻しだした頃にまでさかのぼる。

そのモデルはヒューレット・パッカードの『HP-01』だ。1977年に登場したこのモデルが当時どれくらいスゴかったのかを、時計に関する情報を発信しているサイトである『HODINKEE』に紹介され、話題を集めている。

ヒューレット・パッカードが開拓した先進的な市場

『HP-01』は、当時のハイテクノロジーを搭載したデジタル式の腕時計だ。

文字板にあたる部分はLEDがあしらわれ、下部にはキーボードが配置されている。

その機能は多彩だ。

7桁の四則計算機能にストップウォッチ機能、1/100秒計測が可能なタイマー機能、曜日まで指定できるアラーム機能、さらに200年分のカレンダーや計算結果などを、保存・取り消しの記録ができるメモリー機能など、数々の技術が詰め込まれている。

未来的な外観も相まって、当時としては最高峰のウェアラブルデバイスだったことだろう。

キーボードを押すためには、同梱されているスタイラスかバックル部分に内蔵されているタッチペンが必要だったことから、使い勝手はそれほど良くはなかったと思われる。

取り扱い説明書は、102ページにわたる大作で多機能すぎた感も否めない。

また、バッテリーもボタン電池を3つ必要とし、近年のスマートウォッチがたびたび指摘される“燃費の悪さ”と重なる部分もある。

値段は695ドル(約8万5千円)と、高級腕時計よりは安いものの、手の届きにくい価格だったと考えられる。

日本の企業からも続々とリリースされた

この後1984年にはセイコーから世界初となるリストコンピューター『UC-2000』が発売される。

こちらのモデルは“腕コン”の愛称が示す通り、BASICがCPUに搭載され、別売りのコントローラやキーボードに無線方式でデータ転送ができるようになっている。

またエプソンからも1984年に『RC-20』が発売。汎用8ビットのCPUが搭載され、メモ機能やカナ入力でのスケジュール帳の作成ができる。

1990年代にもポケベルと連動した端末や、Outlookと連携できる端末が数々とリリースされていった。

最近では毎日のように、様々な企業から、スマートウォッチや腕時計型端末のリリース情報が、ニュースに流れてくる。しかしこれは今に始まったことではなく、1970年代から脈々と続いている歴史なのである。

40年の月日が経っても、スマートウォッチがスマートフォンのように人々の生活になじまないのは、(筆者の雑感ではあるが)手首に何かを巻いてデータのやりとりをしたり、トラッキングをしたりというような使い方は、もちろん一部のユーザーには受け入れられるものの、多くの人はそのような体験を求めていないからではないだろうか。

悲しいかな、時計は“時間を知る”ということ以外、人々は求めていないのかもしれない。

【参考・画像】

Historical Perspectives Meet The Very First Smartwatch: Behold The HP-01, from Hewlett-Packard – HODINKEE

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