あれからもう31年たっているのだ。“あれ”というのは、1984年のロサンゼルス・オリンピック開会式。聖火台の下から、フィールドまで空を飛んできたロケットマンが世界中の度肝を抜いたときだ。
あのとき僕らは、あのロケットマンをどう見ていただろうか? いつか自分もこんな機器で空を飛べる日が来ると思っただろうか? じゃあ、それがこの2015年だとしたら? ひょっとすると現実的にその機会が訪れそうな気がしないだろうか?
自由の女神を「ジェットパック」で楽しめ!
生身の人間が飛行できる、背中に背負う機器『ジェットパック』を開発する、ジェットパック・アビエーション社が、最新のモデルJB-09を使って、ニューヨーク・自由の女神像の近くの海上を飛行する動画『World’s only JetPack flies in New York – YouTube』を公開した。
2基のターボファン・ジェットエンジンを使用
このジェットパック・アビエーション社の開発者は、40年以上にもわたり、こういったパーソナル・ジェット飛行装置の開発を行ってきたという。小型軽量で、充分なパワーと信頼性がある装置を開発するために、彼らは長い年月をかけてきた。
その間にはさまざまなエンジンを試したが、さまざまな面でターボジェットエンジンより、ターボファンエンジンのほうが理想的だと考えたという。しかし、ターボファンエンジンは大きく、重い。
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そこで、さまざまなエンジン製造メーカーと協力して、『ジェットパック』にふさわしいエンジンを作り上げてきた。
機体のほうは、それこそロサンゼルスオリンピックで空を飛んだ『Rocket Belt』のころからのノウハウを活かして開発してきた。
当時はたった30秒しか飛べず、なんの電気部品も使っていなかった(!)というが、現在の『ジェットパック』では、エンジンの始動や冷却、燃料の供給、パイロットがモニターするための情報表示など、さまざまな部位にエレクトロニクスが使われるようになった。
そうしてできあがった最新のジェットパックが、動画で使われているJB-09だが、同社ではすでに次のモデルJB-10の開発を始めているという。JB-10では、高度1万フィート(約3048m)以上、時速100マイル(約161km/h)以上、そして10分以上の飛行時間が可能になると予想している。
実際、そんなに高く上がったり、そんなに速く移動できたりしなくても充分魅力的だろう。
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たとえ高度100m以下だったとしても楽しめるのではないだろうか?
所有はしなくてもいいが、観光地での10分間のフライトなんていうアトラクションが実現したら、是非やってみたい。
【参考・動画】
※ World’s only JetPack flies in New York – YouTube
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【画像】
※ lassedesignen / Shutterstock