「iPadはiPadの道を、MacBookはMacBookの道を究める。二つの製品を妥協させて中途半端な製品は作らない……。」
と、Appleのティム・クックCEOは断言した。
しかし、iPadは高性能化し、いつしかキーボードとスタイラスペンが備わっている。なんだかノートブック化しているようにも見えるではないか。
しかもMicrosoftはSurface BookとWindows10で、見事にタブレットとノートブックを一体化させてきた。
iPadとMacBookは、本当に統合されないのだろうか。
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中途半端な妥協による製品は作らない
ティム・クック氏が断言したことは、15日(現地時間)付けのIndependent.ieで報じられた。
要するに、AppleはMicrosoftのSurface Bookの様な、タブレットとノートブックが統合された製品を目指すことはないという。
同氏は、顧客がそのような中途半端な製品を望んでいないと感じているのだそうだ。
ハイブリッド化は、iPadのユーザーにとってもMacBookのユーザーにとっても不満足な妥協の産物になってしまう可能性がある。それよりも、iPadとMacBookがそれぞれ最高の製品であることを目指すべきだと言う。
確かに、iPadとMacBookは、それぞれ異なった使われ方がされている可能性は高い。
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ただ、Appleファンが「もしかすると」と思っていたのは、他ならぬティム・クック氏の発言だった。
同氏はiPad Proを発表した際、iPad ProがラップトップやデスクトップPCの代わりになると発言していたからだ。まるで、MacBookがiPadに統合されるかのような予想をさせる発言だった。
しかし今回、同氏はPCとはWindowsの事であり、Macintoshは別だ、とやや強引な弁明をしている。
iPadとMacBookの統合の可能性は消えていない
同氏は、iPadとMacBookの類似点を認めつつも、デザインの思想も、求められている使い勝手も異なるものだという解釈をしていることを示している。
だから両者が統合されることはないというわけだ。
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ただ、両方の製品をシームレスに使いたいニーズはあると考えたため、Handoffといった機能を搭載している。
Handoffとは、Mac OS Xを搭載したデバイスとiOSを搭載したデバイスを連続的に使用できる機能だ。
例えば、iPhoneでメールなどのメッセージを入力しながらデスクに戻ってきて、座った所からはMacBookで続きの文章を入力できるといった使い方ができる機能だ。両者はBluetoothで連携している。
とはいえ、同氏の発言は永久(とわ)の誓いではない。
Appleが企業である以上、市場の声を聞かないわけにはいかないからだ。
Surface Bookが大成功して類似製品も増え、Appleユーザーからの要望が大きくなれば、Appleとしても無視するわけには行かなくなるだろう。
従って、将来iPadとMacBookが統合されるか否かは、CEOではなく、市場が決めるのではないかと思われる。
【参考・画像】
※ Tim Cook: Apple won’t create “converged” MacBook and iPad – Independent.ie
※ sergey causelove / Shutterstock