日本最高峰の富士山近くに位置する、富士河口湖町は、ホテルや別荘などが数多く集まる、人気のリゾート地。
「富士山の優美な景色を眺めながら、季節の移り変わりを肌で感じ、豊かな自然とともに、のんびりと生活してみたい」と、夢みた経験はないだろうか。
富士山の近くで、憧れの自給自足ライフを実現
そんな多くの人々の憧れの地で、食とエネルギーの自給自足を実現しようというプロジェクトが、『Eden Grown Home(エデン・グローン・ホーム)』だ。
貨物コンテナを再利用した、この住居兼温室菜園は、自立循環型。
ソーラーパネルや風力発電システムによって、再生可能エネルギーを発電し、採取・貯留した雨水を、作物の栽培や生活用水に充てる仕組みとなっている。
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また、水耕栽培キットや、魚の養殖と野菜の水耕栽培を一体化したアクアポニクスシステムを導入。
野菜・果物の栽培のみならず、魚も同時に養殖でき、より多様な食材を自給自足できるわけだ。
日本から世界に羽ばたく、自立循環型ソリューション
『Eden Grown Home』の建設に取り組んでいるのは、2000年から富士山麓を拠点に、サステナビリティを重視した農園やカフェを運営している『The Earth Embassy(地球大使館)』。
現在、米国出身の建築デザイナーのジェイコブ・ライナー(Jacob Reiner)さんを中心に、富士河口湖町で、プロトタイプの建設をすすめている。
『Eden Grown Home』の利点は、比較的安いコストで、都市部から過疎地まで、どこにでも設置できること。
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また、敷地のサイズや用途に合わせた拡張やカスタマイズが可能で、一般家屋としてはもちろん、学校、高齢者向け住宅、コミュニティセンターなど、幅広い目的に活用できる。
プロジェクトでは、『Eden Grown Home』の世界的展開も視野に入れており、近い将来、ウガンダにも建設する方針だという。
人口増加に備え、食料の安定供給は世界的課題に
国連の予測によると、世界人口は、2015年現在の約73億人から、2030年までに85億人を超え、2050年までには97億人に達するとみられている。
今後見込まれる人口増加に備えて、安定的な食料供給は、世界全体が取り組むべき重要な課題だ。
米国でも、貨物コンテナを活用した作物栽培ソリューションとして、『Freight Farms』や『CropBox』などが開発されている。
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『Eden Grown Home』は、作物栽培に特化したこれらのソリューションと異なり、温室菜園と住居を組み合わせている点が特徴といえるだろう。
『Eden Grown Home』では、現在、日本のクラウドファンディングサービス『Makuake(マクアケ)』を通じて、プロトタイプ建設のための資金を広く募っている。
日本のシンボルでもある富士山から、世界に羽ばたこうとしている『Eden Grown Home』に、精一杯のエールを送りたい。
【参考・画像】
※ 夢見た自給自足!究極のエコハウス建設プロジェクト 絶景の富士山と暮らす!- Makuake
※ UN projects world population to reach 8.5 billion by 2030, driven by growth in developing countries – UN News Centre
※ Freight Farms
※ CropBox
【動画】
※ Eden Micro Farm Home – Eden Micro Farm Home – Portable Sustainable Living – YouTube