手指や食品を介して感染する「ノロウイルス」、予防策として有効なのは「手洗い」
画像はリリースより食中毒の原因の半数がノロウイルスによるものです。特に感染しやすいのは冬場で、約7割が12月から2月に発症しています。ノロウイルスは、手指や食品などを介して経口で感染し、おう吐や下痢、腹痛、微熱などを引き起こします。非常に感染力が強いと言われているノロウイルスですが、家庭でできる感染予防策として有効なのが「手洗い」。今回は、手洗いに対する人々の意識と、正しい手洗いの方法についてお伝えします。
消費者庁が全国の男女2,000名にインターネット調査を行ったところ、約85%が調理前に手を洗うと回答した一方で、食事前に手を洗うと回答したのは52.6%に留まりました。いくら食品の衛生に気を付けても、食品を扱う手指が汚れていては感染を防げません。食事をする前はしっかり手洗いをするようにしましょう。
また、この調査では、15.4%の人がトイレの後に手を洗わないことがあると回答しています。感染者の糞便には、1グラムあたり数億個のウイルスが含まれており、10〜100個の極微量のウイルスを摂取することで感染が成立します。ノロウイルスは、ドアノブやカーテン、リネン類、日用品などにも付着し、長期間感染力を維持します。トイレの後に必ず手を洗うことで、何らかの理由で手に付いたウイルスを洗い流すことができるので、ぜひ意識しましょう。
ウイルス予防のために、正しい手洗い方法を覚えよう!
いくら手洗いをしても、洗い残しがあっては意味がありません。この調査でも、手首(22.4%)や親指の付け根(29.6%)、手の甲(39.0%)などが意識されていないという結果が出ています。そこで、正しい手洗い方法についてご紹介します。
1.流水で手をよくぬらした後、石けんをつけて手のひらを合わせ、よくこすります。
2.次に手の甲にもう片方の手のひらを重ね、手の甲を伸ばすようにこすります。
3.指先、爪の間を念入りにこすります。
4.次に両手の指をからませて、指の間をこすります。
5.親指をつかんでねじり洗いします。
6.手首も忘れずに洗いましょう。
7.最後に流水で石けんを洗い流し、清潔なタオルかペーパーで拭きとってよく乾かします。
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ちなみに、消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水による手洗いの代用にはならないそうです。正しい手洗い方法を理解して、お子さんにも指導してあげましょう。(宮坂方子)
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