次期iPhoneにおいて、薄型化のためにイヤホンジャックを廃止するという噂が流れている。
Appleは今年の6月に行われた開発者向けカンファレンスWWDC内で、『Lightning ヘッドフォンモジュール』を発表しており、今回の噂もこの事前発表を加味するとかなり有力な情報と言えるだろう。
もしこの情報がもし真実だった場合、今後ある業界がものすごく盛り上がる可能性があるといえるだろう。
そう、ポータブルオーディオ業界だ。
アナログ出力がデジタル出力に
なぜポータブルオーディオ業界か盛り上がるかを説明する前に、iPhoneで音が鳴る仕組みを先に説明する必要があるだろう。
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iPhone内部に記録される音楽などのデータはデジタルなのに対し、イヤホンから聞く音はアナログである。
データを音にするためには、間にDigital to Analog Converter(以下・DAC)を挟む必要がある。
イヤホンジャックで音を出す場合と、Lightning端子で音を出す場合の大きな違いは、イヤホン端子の場合はアナログ、Lightningの場合はデジタルで出力されることだ。
イヤホン端子の場合、端子の手前でiPhone内部にあるDACが機能するのでアナログの音を出力できるのだが、Lightningはデジタル端子のためDACを内部で挟むことができない。
ゆえに、音にするためには外部でDACを用意する必要があるのだ。
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従来のイヤホンジャックに比べ圧倒的にいい音で聴ける可能性
ここで、ポータブルオーディオの話に移ろう。このDACを外部に持っていくとどうなるか。一般的には音が良くなるはずなのだ。
というのもiPhone内部のDACは非常に小型にする必要があり、かつ内部の電磁波の影響も受ける。そういう制約が外部DACになくなるのだ。
制約がなくなることで、DACは本来の性能を発揮することが可能となり、iPhoneでは、今までより遥かにいい音で音楽を楽しめる可能性があるというわけだ。
現在、既にポータブルオーディオ界隈ではいくつものDACが販売され人気を博しているが、それがiPhoneのイヤホン端子廃止に伴いさらに盛り上がりをみせることも予想されるだろう。
筆者としては、世の中のイヤホン端子が全てLightningになることは考えづらく、アダプタのように小型のDACが普及するのではと考えている。
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その中で音がいいもの、小型なものなど様々なジャンルが形成され、今以上にDACに興味を持つユーザーが増えるのではないだろうか。
アップルが新機種を出すたびにケースなどの周辺機器メーカーが盛り上がるように、このイヤホン端子の廃止も、ポータブルオーディオ界隈にも大きな影響を与えるかもしれない。
【参考・画像】
※ takayuki / Shutterstock