自動運転への布石で来年6月、国交省がミラーレス解禁か?

2

2015年12月05日 21:00  FUTURUS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

国土交通省が、来年6月に保安基準を改定してクルマのミラーをカメラで代用することを認めるそうだ。

これは、自動車の国際基準を定めている、国連の『WP29(自動車基準調和世界フォーラム) 』が一部のミラーに限定していた代用を、全てのミラーに拡大することを11月に決めたことを受けたもの。

高性能カメラの搭載によりドライバーの死角を無くすことで、交通事故の低減を図るのが目的だ。

国内主要自動車メーカーが開発を進めており、既に実用レベルに達していると言う。

国交省も、カメラによる死角対策を普及させたい考えで、夜間でも肉眼と同程度に見えるよう、モニターの明るさやコントラストを細かく規定、基準を満たせば、追加機能を認める模様。

2020年には量販車で“完全自動運転”機能の導入が見込まれており、多数の車載カメラが必要になることから、その予備技術として期待される。

数々のメリットが考えられる

両側へ大きく出っ張っている現状のドアミラーが不要になれば、狭い道路でのクルマ、2輪車、人とのすれ違い時や駐車中の接触防止に繋がる。

カーデザインの自由度が高まることで、『LF-FC』のように、モーターショーのコンセプトカーばりのスッキリとした意匠が可能となり、エアロダイナミクスが向上することで燃費向上や風切り音低減にも寄与する。

ドアミラーの場合、雨天時に雨粒が付いたガラス越しでの後方確認を余儀なくされるが、車内モニターによる後方確認が可能となり、夜間の視認性も大きく向上しそうだ。


動画を別画面で再生する

フレームレートが高い最新のメガピクセル・イメージセンサが既に開発されているそうで、時差の無いクリアで高画質な映像が期待できる。

ミラーの電動格納機能などの省略により、コストダウンが可能となり、システム採用時のコストアップ是正が図れる可能性も出て来る。

勿論、現状のミラー本体による死角についても改善され、車内モニターサイズの最適化により、ミラーよりも視認性を高めることが可能だ。

多彩な付随機能で安全性が大幅向上

追い越し時の後方車両検知システムとして、また、工夫次第では死角で見ることができない助手席側の前輪と、わだちとの間隔確認にも利用できそうだ。

加えて、昨年、英ジャガーランドローバーが『Aピラー』の死角透過機能を発表しているが、こうしたことも可能になるかもしれない。


動画を別画面で再生する

システムの信頼性確保が重要

このようにメリットが多い一方で、課題となるのはシステムの信頼性だ。

既にルームミラーで実用化されているとは言え、運転中にシステムがダウンした場合、全ミラーの機能を同時に失う可能性が有るからだ。

ミラー代用のカメラシステムが、自動運転用の予備技術として機能するには、多様な環境下での徹底した試験評価が必要になることは言うまでもない。

車外カメラの場合、雨滴への対応や寒冷地でのカメラレンズ凍結、日射や後続車のヘッドランプ光によるハレーション、ワックスやコーティング剤などによる影響など、必要評価が目白押しだ。

Lexus_LF-FC

とは言え、車両開発なら常につきまとう問題であり、電装機器メーカーや自動車各社での十分な相互評価が重要になる。

こうした課題がクリアできれば事故を未然に防ぐための素晴らしい技術になるに違いない。

【参考・画像】

※ 毎日新聞

※ TOYOTA Global Newsroom

【動画】

※ Sightstream(R): enhanced safety & reduced fuel consumption – YouTube

※ Jaguar Land Rover introduces the 360 Virtual Urban Windscreen – YouTube

このニュースに関するつぶやき

  • オプションde補助視覚用フェンダーミラーを復活させよ…ドアミラーより横がコンパクトde目線移動も楽チンですから
    • イイネ!5
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(2件)

ニュース設定