ストレッチ性を50パーセント増加させた東レの『プライムフレックス』や、植物由来で機能性に富んだデュポン社の『ソロナファイバー』など、最近は続々と高機能な繊維素材が発表されている。
その新しく発表される素材の多くは“植物由来のエコな物”が増えておりトレンドとなりつつあるが、繊維開発の大手である『帝人』が“着るだけで化粧品代わりになってくれる”という夢のような素材を発表した。
着るだけで肌を「弱酸性」に調整してくれる
その素材とは『ラフィナン』というもので、健康的な肌に近い弱酸性の化粧品成分が配合された素材となっている。
この『ラフィナン』のウエアを纏うことでどのような効果が期待できるかというと、まず一つ目に“アルカリ性による肌のトラブルを防いでくれる”という事だ。
本来人間の肌は、表面を弱酸性に保つことで細菌の繁殖や外部からの刺激、水分の蒸発を防いで健康な状態を維持しているが、汗をかいたり乾燥する状態が長く続くと、表面がアルカリ性になりやすくなり肌のトラブルを引き起こすことが多くなる。
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しかし、この『ラフィナン』は、食品などにも使われる弱酸性成分の『リンゴ酸』を繊維に細かく配合しており、適度な通気性を保つ状態にしているので、肌のトラブルを減らすことができるという仕組みになっている。
他にも『ラフィナン』は、肌の水分を調節して弱酸性の状態に近づけてくれるので、肌荒れや乾燥、アトピーなど、皮膚の水分量が大きく関わっている症状には、効果があると考えられるだろう。
普段着だけではなく医療の場でも活躍できるかも
この『ラフィナン』は、まずスポーツアイテムやアパレルメーカーなどで展開される予定となっているが、サポーターなどにこの素材を使えば皮膚科などでも活躍できる可能性が高い。
さらには、肌だけではなく歯も弱酸性の状態が理想的とされているので、『ラフィナン』のような素材を使ったマウスピースや歯ブラシなどが将来的に登場していくかもしれない。
この『ラフィナン』は、11月下旬に発表されたばかりだが、既にスポーツメーカーの『デサント』がラフィナンを使ったスポーツアイテムの開発を発表している。
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効果などを聞くと“未来のアイテム”のように感じてしまうが、実際に身に付けることが出来る日も近いので、今後の動向に注目していきたいところだ。
【参考・画像】
※ ライフスタイルを変える「身に纏(まと)う化粧品」誕生!化粧品ウェア「ラフィナン(R)」の開発と展開 – 帝人フロンティア