糖尿病患者一人ひとりに適した治療を

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2015年12月07日 14:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

服用負担少なく、多様なライフスタイルに対応可能な薬剤に期待

奈良県立医科大学糖尿病学講座教授の石井均先生

 厚生労働省によると、糖尿病が強く疑われる人は約950万人、糖尿病の可能性が否定できない人は約1100万人に上っています。糖尿病患者さんが増えるとともに、患者さんのライフスタイルも多様化するなか、患者さんにあった治療法や薬の選択が重要になっています。

 MSD株式会社は11月26日、週1回の投与で血糖をコントロールできるDPP-4阻害薬「マリゼブ(R)錠12.5mg/25mg」(一般名:オマリグリプチン、以下マリゼブ)の発売を開始。これを受け、同社が11月27日に開催したメディアセミナーでは、奈良県立医科大学糖尿病学講座教授の石井均先生が、患者一人ひとりに適した糖尿病治療の重要性と週1回投与型のDPP-4阻害薬の意義について講演しました。

 マリゼブは、1日1〜2回投与型とは異なり体内にとどまる時間が長いことから、週1回の投与で血糖のコントロールができるのが特徴です。国内第3相臨床試験では、連日投与が必要なDPP-4阻害薬で、日本で200万人以上の患者に処方されている「ジャヌビア(R)」と同様の有効性とともに副作用に対しての安全性も確認されました。

 生活習慣病をはじめとする慢性疾患の患者さんは、薬を決められたとおり服薬する人の率が低く、平均50%という報告があります。糖尿病におけるその要因は、低血糖、体重増加、腸管障害などの副作用だとされています。また、糖尿病治療薬を決められた通り服薬できない理由として、服用の薬剤数、量、期間、手順などを示した計画書の煩雑さにも関連するとされているため、服用負担が少なく治療薬の開発にあたり、患者の多様なライフスタイルに対応できる薬剤が求められていました。

薬の選択も、患者の考えが尊重される時代に

 石井先生は、米国の2型糖尿病患者が連日投与と週1投与のどちらの経口血糖降下薬を好むかを調査した結果を提示。全体では、週1回投与のほうを好む人の割合が67%で、年代別に見ると、18〜44歳が78%と特に高くなっています。また、これから治療開始する人も75%と高い割合となっており、石井先生は、「若い人はやはり、仕事の妨げにならないようにと考える人が多いのではないか。飲み慣れた薬がないのであれば、連日投与より週1回投与を好む傾向にある」と語りました。

 「糖尿病は治りきる病気ではないので、患者さんは病気を持ちながらでも、自分の生活をできるだけ快適にしたいと思っている」と石井先生。糖尿病治療薬の選択にあたって、HbA1c低下を最も重視する人もいれば、「服用回数が少ない」「飲み忘れが少ない」といった服薬の利便性、下痢や低血糖などの副作用の軽さを優先する人もいます。石井先生は「薬の選択においても、患者さんの考えが最も尊重される時代が来た」と話しました。

 働き盛りの患者さんは、仕事に極力影響しない治療を、たくさんの薬を服薬している人は、服薬回数を減らしたいなど、患者さんの数だけ治療の希望があります。患者さんのライフスタイルに合わせた新たな治療法や薬の開発が、ますます求められていくでしょう。(QLife編集部)

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