沖縄ではEXILE以上の人気!? 沖縄ヒーロー番組『琉神マブヤー』が、超ゆるいけど社会派だった!!

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2015年12月09日 07:42  BOOK STAND

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『琉神マブヤーでーじ読本: ヒーローソフィカル沖縄文化論』山本 伸 三月社
沖縄のご当地ヒーロー「琉神マブヤー」をご存知でしょうか? マスクのモチーフは、シーサー、必殺技は「スーパーメゴサー(すごいゲンコツ)」、決め台詞は「たっぴらかす(こてんぱんにしてやる)」など、「ウチナーグチ(沖縄方言)」や沖縄文化をふんだんに盛り込んだヒーローです。

 2008年に始まったTVシリーズのDVD販売枚数は3万枚を超え、主題歌は、県内では一時期EXILEのCD売上をも超えたほど。2011年には、沖縄出身のガレッジセール・ゴリや、山田親太朗・ISSAが出演した映画『.琉神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ』が全国公開されるなど、今や、沖縄県内のみならず、日本全国でも知られる存在となりました。

 一見ゆるい設定に見える同作ですが、TVシリーズでは、反戦デモや米軍基地問題も取り上げるなど、沖縄が今直面している社会状況を正面から描き、大人の鑑賞にも充分耐えられる作品となっています。

 数あるTVシリーズのなかでも、異彩を放っていたのが2012年放映の『琉神マブヤー1972レジェンド』。本土復帰前の1972年、アメリカ統治下に置かれていた沖縄を舞台に描いた異色作です。身勝手な人間を懲らしめようとする「マジムン」軍団のほかに、「沖縄アメリカナイズ計画」実現が目的の敵キャラ「アメリカマジムン」も新たに登場し、マブヤーと三つ巴の戦いを繰り広げます。

 エピソードのなかでは、「マジムン」のアイテムとして、明治期以降、標準語励行を強制するために沖縄で用いられた「方言札(ほうげんふだ)」を想起されるものまで登場させるなど、かなり政治的メッセージも盛り込まれていた同作。その一方で、某人気料理番組のパロディや、ミュージカル場面を取り入れるなど、ポップなシーンも多数。第8話では、いつも脇役のマジムン軍団の手下・クーバーが主役になった"神回"も放映されています。

 書籍『琉神マブヤーでーじ読本』は、そんなマブヤーシリーズのストーリーと背景を丁寧に解説した1冊。特撮ヒーローに興味がない方でも、文化や歴史、多少なりとも沖縄に関心がある人なら、誰でも楽しめる作品となっています。



『琉神マブヤーでーじ読本: ヒーローソフィカル沖縄文化論』
著者:山本 伸
出版社:三月社
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このニュースに関するつぶやき

  • マブヤー以上にハルサーエイカーがリアリズムで面白いです。
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