ボルボといえば何を思い浮かべるだろうか。SUVやエステートワゴンをパッと思い出すことだろう。
日本でのセダン不人気も手伝い、ボルボ・セダンの存在感は薄かった。
しかし、新型『S90』は最新技術を投入し、ベンツやBMWなど強豪ひしめくプレミアム・セダン市場に打って出る。
新型ボルボS90に投入される最新技術
ボルボといえば、安全装備への尋常ならぬ執着で有名だ。
古くは3点式シートベルトの発明、まだ衝突安全基準がなかった時代に独自基準を設け、正面衝突だけではなく側面衝突にもいち早く対応した。
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北欧の厳しい環境下では単独事故であっても、その後の対応如何によって致命的な事故となるだけに、その対応も頷ける。
今回の『S90』に導入されるオートパイロット機能は、前走車がいなくとも自動的に走行、レーンをはずれることなく走行が可能だ。
これに組み合わされるアニマル・ディテクション(動物の飛び出し検知)機能や、車線逸脱防止機能を合わせ、自動運転へ一歩近づいている。
エンジンもユニークだ。
プラグインハイブリッドとなるT8ツインエンジンは、Power Pulseと呼ぶ機構を搭載。インテークのエアをコンプレッサーで圧縮して一時的にタンクに貯蔵、タービンを補助的に回転させることで、ターボラグを解消し効率を向上させている。
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ボルボの仕掛けるブーム
かつて日本ではボルボ・ブームがあった。
セダン全盛期の当時、ワゴンは商用っぽいということで敬遠されていたが大パワーエンジン、大径ホイールを組みあわせ、高い実用性と共にスタイリッシュでスポーティな走りが人気となったのだ。
日本では、現在セダン不人気であるが、世界市場に目を向けるとプレミアム・セダン市場は安定的、かつ長いトレンドでみると、じわじわと成長している。
販売価格が高めなこともあり、メーカーとしては魅力的だ。デザインもこれまで独特のスカンジナビア・デザインを特徴としたが、今回の『S90』は比較的保守的なイメージで、AudiやBMWに近い。
本気でプレミアム・セダンを狙っていることがうかがえる。
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プレミアム・セダン市場でボルボ・ブームが巻き起こるか、注目していきたい。
【参考・画像】
※ Volvo Cars stakes its claim in the premium sedan segment with the long-awaited S90 – VOLVO