ロボットやAIがあらゆる仕事を奪うといった予測が話題になっている。
ライター業だって油断は成らないのだ。
しかし、まさかお笑いにまでロボットが登場するとは。この分野については全く油断していた。
しかも、そのロボットがあの『ペッパー』だったとは。
なんと『ペッパー』は、M-1グランプリ 2015に出場していたのだった!
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M-1に挑戦したロボットと人間の漫才コンビ
『ペッパー』はソフトバンクが販売している、感情認識ヒューマノイドロボットだ。既に店頭やイベント会場などで見たことがある人も多いだろう。
この『ペッパー』が、人間とコンビを組んで、先日決勝が開催され今なお話題となっている『M-1グランプリ 2015』に参戦していたのだ。
『M-1グランプリ 2015』はトレンディエンジェルが優勝して湧いたが、実は(もしかすると、いや、おそらく)同大会は、人類史上初めてロボットが漫才師として出場した大会でもあったのだ。
しかも、結構面白くて勝ち上がっていたというから驚く。
出場したのは『ペッパーズ』というコンビ名で、『ペッパー』の相方は人間の金子俊氏。M-1の公式サイトでは、「1990年神奈川県生まれのフリーター」と紹介されている。
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ちなみに『ペッパー』は、1990年東京生まれのやはり“フリーター”と紹介されている(まぁM-1だし、ここはツッコむ必要は無いだろう)。
「ペッパー」には難しかった芸人の「間」
しかし、『ペッパーズ』のブログに依れば、『ペッパー』がいくら才能豊かなロボットとは言え、漫才をやらせるのは苦労したようだ。
基本的に、『ペッパー』には芸人モードは用意されていないからだ。従って、単純に会話するだけでは、ボケたりツッコミを入れたりはできない。
漫才である以上、相方とコミュニケーションを取りながら、芸をしている雰囲気を作らねばならない。そこで、相方の金子氏は、『ペッパー』のジェスチャーやアイコンタクトの頻度を工夫した。
また、置物感が出ないように、『ペッパー』自身が話しているときも、金子氏が話しているときも、常に動いていることにした。
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そして、漫才として最も難しいのが“間”だった。
Pepperが自動的に話し続け、プログラムしておいた“間”に合わせて、人間の相方が話すという方法では、タイミングを合わせることが困難なだけで無く、客の笑いが収まるまで待つといった“芸”ができない。
それで取った方法が、第三者の協力による遠隔操作だった。
実際には金子氏の友人が、舞台裏でPCの画面上に並べられた『ペッパー』の各動きを、相方や客の反応に合わせて再生するという遠隔操作をしたのだ。
もっとも、これはこれで難しかったらしい。というのも、会場のネットワーク環境によって、『ペッパー』の反応速度が異なるからだそうだ。
そのため、非常にアナログだが、会場でのタイミング練習は欠かせないという。
さらに芸を磨いて
しかし、それらの課題を乗り越えた漫才は会場を沸かせ、見事に1回戦を勝ち上がり、2回戦まで進んだ。
残念ながら2回戦で敗退したが、相方がロボットという異色の漫才コンビは、これまで人間しか舞台に立てなかったM-1グランプリで、2回戦まで出場することを果たしたのだ。
M-1グランプリが終わっても、『ペッパーズ』は解散していないので、依頼すれば各種イベントで漫才を披露してくれるという。
ネタも面白いので、テレビなどでも活躍する日が近いのでは無いだろうか。
【参考・動画】
※ ロボットとM-1に出場してわかった3つのこと ? Medium
※ ペッパーズ – M-1グランプリ 2015
※ ペッパーズ(ペッパー漫才) 3分ネタ動画 – YouTube
【画像】
※ すしぱく – PAKUTASO