先日突如発売された、Apple純正のiPhone 6/6s用バッテリー内蔵ケース『Smart Battery Case』。
バッテリーが内蔵されている、本体裏側がボコッと出っ張っているのが特徴的なこのケースだが、そのデザインに関し大きく注目が集まっている。
悪く言ってしまえば、Appleらしくない「とてつもなくダサいデザイン」というわけだ。確かにその批判は間違っていないだろう。ひっくり返さなければ充電できないマウスなど、近年のApple製品には一部、首をかしげたくなるモノがいくつかあるのは事実だ。
今回はこの『Smart Battery Case』に関し、なぜこの様なデザインになったのかを考えていきたいと思う。
単純に「これがいい」と思いつくったというわけではないはずだと信じ、紐解いていきたいと思う。
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Apple社内での製品化プロセス
まず、前提として考えておきたいのは、世界で最も革新的な企業とはいえ、Appleも“大企業”だということだ。
大企業ゆえに、製品の企画から発売までのプロセスは複雑になっているはずだし、その中では多くの決裁権者がいるはずだ。
その中でこのデザインに対し、「NO」を唱える人がいなかったと言えば、それは嘘だろう。社内でもさすがに分かるはずだ。
しかし、それでも発売するという決定に至ったのであれば、深読みをしすぎなのかもしれないが、Apple内部にも何か他の思惑があると考える方が、自然ではないだろうか。
特許によってガチガチに縛られたデザイン
では、そもそもなぜこのデザインになったのだろうか。
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これを生み出した裏には、様々な特許の問題があったといわれている。現在、すでに様々な周辺機器メーカーが類似したバッテリーケースを販売しており、同様の特許もすでにいくつも取得されている状態にある。
その中でも、Appleが今回発売した“本体背面にバッテリーを内蔵し装着するケース”に関しては、Apple Storeでも扱っている周辺機器メーカー『Mophie』が上下に分割するモノも、前後に分割するモノもどちらもすでに特許を取得しているのだ。
こういった、他社が取得している特許の隙間をぬった範囲でのデザインが、今回の『Smart Battery Case』には求められていたのである。
純正アクセサリの後出しは珍しい?
更に別の角度から見てみよう。
そもそも、Appleが純正アクセサリを後出しすることは比較的珍しいといえる。
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特にiPhoneシリーズ向けの周辺機器は、大体の場合製品発売時に合わせて同時発表するのが定説だろう。
その中で、あえてデザイン的には2年目に入り、恐らく10カ月後の来年9月には新デザインになるであろうiPhone 6/6s向けのケースを出すということは、少々おかしな話だ。ここにも何かしら裏側があるのだろうか。
といった具合に、この『Smart Battery Case』にはどことなく別の意図が働いているように思える。
無論考えすぎの可能性もあるだろうし、Appleも、常に過去の定説に従い完璧な製品を出し続けることなど不可能なのも事実だ。
その答えがどこにあるかは来年の9月になれば分かるのかもしれないし、もしかすると3月なのかもしれない。
ただ、Appleが我々を失望させるだけのメーカーではないことを信じたい。
【参考・画像】
※ Is Apple’s Smart Battery Case so goofy because it was designed around Mophie’s patents? – The Verge
※ iPhone 6s Smart Battery Case – チャコールグレイ – Apple
【動画】
※ Apple iPhone 6s Smart Battery Case: Review