「iPad」5年の歴史を振り返って見えてきた、Appleがタブレット市場で負ける可能性

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2015年12月15日 06:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

2010年1月27日、Appleがはじめて発表した『iPad』。

当時は今ほどリークも多くなく、iSlateだの、iTabなどと噂されていたApple製タブレットは、この時はじめて世に登場したのだった。

日本での発売は、そこから4ヶ月たった5月28日で、当時筆者も近所の家電量販店に、朝から並んだのをよく覚えている。

当時は、まだ『iPhone 3GS』の頃で、今ほどApple人気も高くなく、並んでいる人も多くなかった。それが、この5年で発売前から注目を集め、期待の新製品であれば、品切れ続出の有名企業となったわけである。

そんなAppleの躍進と共に育った『iPad』。この『iPad』は5年間でどの様に変わったのだろうか。

今回は様々な観点から『iPad』の進化の軌跡をたどっていきたいと思う。

スペック面は順当な進化


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まずはスペックだ。正直、スペック面は、順当な進化を遂げているだけに過ぎない。重量が初代より約35%軽量化し、厚みも半分以下になっている。

Retinaディスプレイ化やカメラの搭載、端子の変更やプロセッサメモリ量の増加、Touch IDの搭載など全てiPhoneの真価に準ずる形で進歩してきているに過ぎない。

ただ、今年発表された『iPad Pro』はその限りではない。

今までiPhoneの一歩先をいくスペックを作り続けてきたiPadであったが、『iPad Pro』ではその何歩も先の、Macと肩を並べるまでの性能をもったマシンとなったのである。

iOS機でありながら、Macすら凌ぐ性能のマシンは作ることができる。それが明らかになるとさらにタブレットは今後PC、Macと同化していくのではないか。

そんなことが、5年目にして出てきた『iPad Pro』からは感じることができるだろう。

タブレット文化の牽引

次に考えられるのが“文化”だ。

『iPad』がここ5年で作り上げた一番の功績は、製品でも、サービスでもなく文化ではないだろうか。

そもそも、世の中にタブレット端末がほぼ普及していなかった状況から、これだけタブレットを当たり前に使う世界に変化させた立役者は、何を隠そう『iPad』に他ならない。

この裏側にはApp Storeの存在も大きく影響している。『iPad』を発売日に購入して使い始めた筆者が最初に感じたことは、iPhoneに比べ圧倒的にアプリが少ないことであった。

ゆえにできることがあまりなく、『iPad』を何に使うか頭を悩ました覚えがある。

iOSデバイスは「アプリの数=できることの数」といっても過言ではないことを考えれば、現在のアプリのラインナップはそのまま『iPad』の成長の記録といえる。

Officeにも対応し、本格的なお絵かきや、写真の現像も可能で、多種多様な電子書籍も読むことができる。

ここまでタブレットが活躍する状況を作り出したことこそが、『iPad』の真価といえるのではないか。

iPad、今後の展開は

今後もしばらく、『iPad』はタブレット業界トップを走り続けることが予測される。その背景には前述したApp Storeの存在が大きく影響している。

ただ、そこで明暗を分ける可能性があるとすれば、タブレットとPCの境界が曖昧になることがあげられる。

今年7月時点での調査では、タブレットの成長は着実に鈍化している。さらに、その鈍化している中でも伸び続けているのは“2 in 1マシン”だという結果も出ているのだ。

今後もこの傾向がもし続く物だとすれば、“2 in 1マシン”を作らないと明言するAppleは、確実に不利になってくるだろう。

性能面でも“2 in 1”は現実的になっている今、Appleがタブレット市場で勝ちつづけるか否かは、そこにかかっているのかもしれない。

【参考・動画】

Every iPad Speed Test Comparison 2015 – YouTube

【画像】

※ sergey causelove / Shutterstock

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