大空への夢。それは誰しもが持っていたに違いない。
夢を現実に、ホンダ創業者、本田宗一郎が果たせなかった夢を今、ホンダが叶えようとしている。
認定取得の意味
東京モーターショー 2015のホンダブース。
大きなフロアの端におかれていたのが、『ホンダジェット』のエンジンであった。
自動車の祭典であるモーターショー、関連技術は奥の奥にやられがちだが、それでも人々はわざわざ足を運び、興味深くそのエンジンに見入っている姿が印象的だった。
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ゼネラル・エレクトリック(GE)社と共同開発した理由について、説明員に訪ねたところ、こんな答えが返ってきた。
「(ジェット)エンジンなんて、極論で言えばどこのメーカーでも作れるんですよ。だからホンダだって作るだけはできる。しかし型式認定をとるのには長年蓄積した経験と認定をとるための技術が必要。そのためにGEと共同開発したんです。」
型式認定とは、米連邦航空局(FAA)が安全基準を満たしているかどうか認定する制度で、これを受けない限りアメリカ市場では販売できない。
新興メーカーが型式認定をとるのは大きなハードルだが、その大きなハードルを今回、ホンダが乗り越えることに成功した。
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米連邦航空局(FAA)から型式認定を受けたのだ。
これにより実際に販売、アメリカの空を『ホンダジェット』が飛ぶことが可能となる。
ホンダのジェットエンジンの未来
『ホンダジェット』はエンジンを翼の上に乗せた独特の形態が特徴だ。
そのためにエンジンのマウント方法に工夫を凝らしているが、このエンジン自体は『ホンダジェット』専用ではない。
自動車では車体とエンジンは同じメーカーが作るが、飛行機の世界では機体とエンジンは別のメーカーが作るのが一般的だ。
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例えばGEやロールス・ロイス、P&Wなどがボーイングやエアバス社にエンジンを提供している。
ホンダもエンジン供給メーカーとして様々な機体に対応していきたいとしており、一般的な吊り下げ式も検討しているという。
『ホンダ・エンジン』というと、未来はジェットエンジンをさすものになるのかも知れない。
【参考・画像】
※ HondaJet 米国連邦航空局より型式証明を取得 – HONDA
※ HondaJet 欧州デビュー – HONDA