シンギュラリティを危惧するイーロン・マスク、人工知能NPO「Open AI」を創設

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2015年12月15日 18:10  FUTURUS

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ディープラーニングの登場で、人工知能(AI)が飛躍的な進歩をすることが期待されている昨今。

だが、一方では、人工知能が人間に限りなく近い、もしくは人間を超えることを危惧する考えも出てきている。

そんな中、TesraやSpace Xの創立者イーロン・マスク氏を中心に、人工知能を研究するNPO団体『OpenAI』がアメリカで設立された。

この団体の目的は、「人間レベルの人工知能が、実現可能になった時に、自己利益よりも良い成果を優先する研究機関」ということだ。

要は、人工知能が、人間や社会に対して有益になるように監視などを行い、より有益なものに導く機関ということだろうか。

まだ、団体の具体的な活動などについては未発表だが、今後行う研究の成果などは、NPOの刊行物などを通じて広く発表していくとのことだ。

2045年に人を超える人工知能ができる?

人工知能に関する危惧については、『シンギュラリティ(Singularity)』という言葉がある。日本語で『技術的特異点』と言う。

これは、

「コンピューター技術が今のスピードやペースで発達を続けると、ある地点で地球全人類の知能を超える究極のコンピューター=人工知能が誕生するのではないか?」

という予測だ。で、その究極の人工知能が誕生するポイントのことを『シンギュラリティ(技術的特異点)』と呼んでいるのだ。

で、この話は、ここからが怖い。

人間を超えた究極の人工知能は、更により優秀な人工知能を作り、それがまた更に優秀なものを作る……といったサイクルで、爆発的スピードでテクノロジーの進歩が進み、人間の頭脳では予測や解読がもはや不可能な未来になる……。

そして、こういった進歩の元凶、最初の人工知能が完成するのが、計算上は恐らく2045年だろう、と言われている。

なので世間では『2045年問題』と表現されることも多い。人工知能の研究や社会進出が進めば、これから更によく耳にする言葉のひとつだろう。

人工知能について知ることが大切

以前、FUTURUSで取材させて頂いたドワンゴ人工知能研究所・所長の山川宏氏も、人間に近い人工知能をつくる機関『全脳アーキテクチャー・イニシアティブ』を、NPO団体として設立した。

山川氏いわく、NPOにした理由を

<人工知能の進歩によりこれから起こることは未知数。なので、より多くの人ができるだけ事前に情報を知る必要があります。そういった意味から、情報をオープンにするNPOにしました。>

と、語っている。

クルマの自動運転化やドローン、スマホにIoTデバイスなど、既に人工知能は徐々に我々の生活に入り込んできている。

つまり研究者の手から離れ、我々のすぐ身近に存在しているということ。研究者はもちろん、我々市民も“自分ごと”として捉えなければならないフェーズであるということ。

人工知能の飛躍的進歩により、社会にどんな影響が出るのかは未知数。

しかし、より人間にとって有益かつ信頼できるものにすべきことだけは確かだ。

【参考・画像】

※ Introducing OpenAI – OpenAI

※ Photobank gallery / Shutterstock

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