Uberが確立させた“ライドシェア”は、あらゆる方面に大きな影響を及ぼしている。
ドライバーをアウトソーシングするという、誰かが考えつきそうで考えなかった“コロンブスの卵”は、現代ビジネスの可能性をより一層拡大させた。それは誰しもが認めることだろう。
そして今や、その流れはタクシー業界のみに留まらない。
Uberの方式を、そのまま採用する引越し会社が登場したのだ。
単身者向けのサービス提供へ
関東エリアでの食品配達を主な業務としていた『軽town』は、来年2月から引越業務を手がける予定だ。
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これは主に単身世帯に向けたもので、最低価格は何と5,000円から。名の知れた大手の引越し企業では、この低価格はなかなか実現できないだろう。
その秘密は“フリードライバー”にある。空いた時間に引越し業務を行なうことができるドライバーと契約し、独自開発のアプリを通じて顧客がドライバーを照会できるというものだ。
これはまさに、Uberそのものである。
一人暮らしをしている人にとって、引越しは頭痛の種である。筆者も経験があるが、業者に頼めばかなり高くついてしまうからだ。
これが一世帯4人とか5人という家庭なら、まだ割に合うかもしれない。だが家具の数などたかが知れている一人暮らしの者にとって、引越し業者への依頼は身に余るものなのだ。
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軽トラ1台あればいいということで、大抵の場合は暇な友達とレンタカーを借りて自分たちで家具を運ぶ。
そうしたニーズを取り込んだ業者が、ついに現れたのだ。
地方活性化のキー
このサービスが今後成長していくとしたら、社会にどのような影響が現れるのだろうか?
これについて筆者は、都市部よりも地方部での効果を期待している。
Uberもそうだが、こうした手軽な運送サービスは、物流面で不利を強いられている地域の救いとなる。山間部などは特にそうだ。
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地方に住む住民の高齢化が著しい今、『軽town』のようなサービスは地方活性化のキーとしての役割を果たすのではないか。
『軽town』を運営するCBcloud株式会社の代表取締役・松本隆一社長は、1988年生まれ。筆者より4歳も若い。それは同時に、発想の源泉を豊富に持っているということだ。
このベンチャー企業は、2016年の目玉になるかもしれない。
【参考・画像】
※ 軽town
※ Andrey_Popov / Shutterstock