“孤独死”は我が国の重大な社会問題になっている。
いや、“孤独死”というのは適当な表現ではないかもしれない。例えば、20歳の年の差の親子は、言い換えれば100歳と80歳という組み合わせである。この二人が同時に室内で倒れてしまった……という場合もあり得るのだ。
それを考えると、問題は「高齢者が自宅で最期を迎える」ことではなく「高齢者の生活環境が地域から隔絶されている」という点にある。
それをどう改善するかが、今後の日本に課せられた宿題なのだ。
毎日の健康を確認
クラウドファンディングサイト『Makuake』に、このようなプロジェクトがあった。
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コミュニケーション支援プラットフォーム『みまもり』という機器の投資プロジェクトだ。
遠く離れた場所に住む高齢の親が心配だが、適当な連絡手段がない。毎日の電話は“襷に長し”というやつだが、だからといってスマホを持たせても使い方が分からない。
ならば、健康チェックシートを手書きで書いてもらおうというのが、この製品のコンセプトである。
発信者がチェックシートに書いたことは、通信用サーバーを通じて受信者のモバイル機器に届くよう設計されている。
発信者は、デジタルペンを使ってチェックシートの欄を埋めるだけでいい。
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これにより発信者の健康状態、要望、安否を、離れて暮らす家族が、スマホやPC」を通して毎日確認することが可能になる。
簡単が一番
この『みまもり』を見て分かるのは、人間誰しもスティーブ・ジョブズになれるわけではないということだ。
タッチパネル操作がいかに簡単かをアピールしても、やはりそれについていけない層も存在する。電卓が普及する以前の、機械式計算機を現代の若者に渡しても、メカオタクでない限り操作できないだろう。それと同じだ。
だからこそ、「高齢者が簡単に操作できる」ということを第一のコンセプトにした通信機器が求められていた。
特に、IoT化が進みあらゆるものが便利になっていくその裏で、高齢者人口が増加する今後の日本において、あれこれついた機能性より簡単な操作性のほうが便利さに直結してくるだろう。
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そういった意味でも『みまもり』は、高齢者と地域をつなぐ重要なライフラインになるかもしれない。
【参考・画像】
※ ペンで書いて離れて暮らす家族と繋がる、伝わる!見守りサービス絆を広めたい! – Makuake
※ mrmohock / Shutterstock