エナジードリンクは有害か?今一度見直す「カフェインとの付き合い方」と食習慣

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2015年12月24日 07:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

筆者はフリーライターとして収入を得ているが、同時に日本国外では格闘技選手として活動している。大した実績のない三流選手だが。

そんな筆者がここ数年常に感じているのは、“エナジードリンクのメーカーの資金力”である。

格闘技に限らず、ある一つのスポーツがその普及のためにイベントを開催するとしたら、やはり先立つモノが必要になってくる。同じ組技格闘技でも柔道やレスリングは、大手企業がスポンサーになってくれるが、グラップリングというマイナー競技にそれは見込めない。

だが、エナジードリンクメーカーは、その主目的が商品の宣伝とはいえ、マイナー競技にも積極的にサポートしている。特にエクストリームスポーツに関しては、敢えて悪く言い換えれば“誰も知らなかった超マイナー競技”が多くを占める。

それらに一般人の目を向けさせた功績は、もはや否定できない。

だがその一方で、エナジードリンクの問題性が提起されている。

エナジードリンクでカフェイン中毒死

エナジードリンクには、大量のカフェインが含まれている。カフェインは古くから活力剤として飲まれてきた。

そういえば、かつて中央競馬にステートジャガーという競走馬がいた。ステートジャガーは1985年の宝塚記念でドーピングが発覚し失格になったが、その際に検出されたのはカフェインだった。要するに、カフェインは“薬物”なのだ。

当然ながら、薬物の過剰摂取は身体に害を及ぼす。カフェイン中毒による死亡例は数が少ないとはいえ、決して発生しないというわけではない。

賢明な読者の皆様は、すでにご存知だろう。先日、日本でもカフェイン中毒死事故が発生してしまった。

亡くなった20代男性は、ガソリンスタンドで深夜勤をしていたという。勤務中の眠気を覚ますため、以前から日常的にエナジードリンクを飲んでいたという報道もある。その上、カフェイン入りの錠剤も飲んでいたという話だ。

ここで、ニュースを引用させて頂く。

<警察から依頼を受けた久保教授が男性の解剖を行ったところ、血液中から致死量のカフェインが検出されたため、カフェインの大量摂取による中毒死と判断しました。

男性は、ガソリンスタンドで連日、深夜から朝まで勤務し、眠気を覚ますため“エナジードリンク”と呼ばれるカフェイン入りの清涼飲料水を、少なくとも1年間にわたって日常的に飲み、この間3〜4回、おう吐の症状を訴えていたということです。(NHKニュースウェブ 12月21日付記事より引用)>

こうしたことは、海外では時たま発生している。

特にアメリカでは、やはりエナジードリンクによるカフェイン中毒死の報道をよく目にする。アメリカの商品は、日本のそれに比べると特に大きい。何しろコーラをガロン単位で売っている国だ。流通しているエナジードリンクも、日本では考えられないほどの大容量であることが多い。

だが、その一方で、保守的な家庭の間では“カフェインは子どもにとって有害”という考えがある。そこでメーカーは自社製品の缶に「18歳以上推薦」や「子どもの引用は害を及ぼすことがあります」といった表示を、目立つようなフォントで記載している。

大事なのは日頃の食事

亡くなった男性に哀悼の意を捧げた上で言うが、日本人はこういう出来事があると、無条件でモノのせいにしがちだ。

今も「エナジードリンクは危険」という論調がネット上で見られるが、本当に関心を払うべきはエナジードリンクの飲み方をはじめとした、“カフェインとの付き合い方”ではないか。

どんなものでも、過剰摂取は危険をもたらす。

そしてカフェインがもたらすのは、一時の興奮作用である。それが必要になる時も確かにあるが、決して日常的に続けられるものではない。

元気の源は、やはり日頃の食事がもたらす。

東洋経済オンラインで、このような記事がある。タイトルは『戦国武将が「粗食」で戦い続けられたワケ』だ。

<織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。戦国大名を代表するこの3人は、いずれも現在の愛知県の生まれである。信長、秀吉は尾張、家康は三河の生まれだ。

そして、この地域は、赤みそ文化圏なのである。それだけでない。江戸時代の大名の7割は愛知県、つまり赤みそ文化圏にゆかりがあるのだ。(東洋経済オンライン 4月11日付記事より引用)>

戦国期に活躍した大名や武将は、よく考えたら“痩せた土地”で生まれた者が多い。それはなぜか? 結論だけを言えば、“白みそ”よりも栄養価の高い“赤みそ”を日常的に食していたからだそうだ。詳しくは記事詳細を参照いただきたい。

19世紀末まで、海外領土を持たなかった我が国は、飢饉や混乱の際の非常用食糧を、すべて自分たちで賄うしかなかった。だがそうであるがため、「何を食べたら効率よくエネルギーを得られるのか」、「どんな食べ物が元気を呼び起こすのか」という食のデータベースに恵まれている。

ここで今一度繰り返すが、エナジードリンクは用量用法を正しく守れば決して“危険な飲み物”ではない。肝心なのは、エナジードリンクを飲む以前の食習慣だ。

人の身体はカフェインだけでは動かない。

あらゆる栄養を摂取して、初めて真の元気が身体の奥底から湧き上がる。

【参考・画像】

カフェイン大量摂取が原因か 20代男性死亡 – NHKニュースウェブ

※ 戦国武将が「粗食」で戦い続けられたワケ – 東洋経済オンライン

※ Patryk Kosmider / Shutterstock

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  • どんなものでも限度はあり、やり過ぎは体に毒という事だ。
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