そんなこんなで、前回、前々回と私の運動不足解消のためスポーツ系のコミュニティに取材をしましたが、今回は趣向を変えてスポーツ以外のコミュニティに行きたいな〜、と考えていたところ・・・コミュニティ担当から「街をみんなでぶらぶら歩きながら楽しむ『街歩き系コミュニティ』が結構盛り上がってますよ」との話が。
確かに最近TVでも「ブラタモリ」や「モヤさま」など街歩き番組が人気になっている・・・
するとこんなおもしろそうなイベントが・・・
「貸切都電と早稲田&南千住ショート散歩」
貸切都電??電車を貸しきるの??
詳しく調べてみると「東京再発見」という街歩き系コミュニティで、
主催には「NPO法人東京を再発見する会(http://tokyosaihakken.sakura.ne.jp/index.html)」との記載が。
詳細を見ると、都電荒川線を一両貸し切って早稲田駅から三ノ輪橋駅までの全区間を走行するとのこと。そして出発場所の早稲田駅と、到着する三ノ輪橋駅周辺を街歩きする企画とのことで、両駅周辺に詳しくなく、何より都電に乗ったことがない私は早速主催者に取材連絡!!
するとすぐ「構いませんよ、是非お越し下さい!」とのお言葉を頂き、いざ参加!!
■取材概要
【日時】2015年12月6日(日) 11:00〜17:00
【場所】早稲田、南千住周辺
【参加数】約50名
【参加費】600円
【コミュニティ】「東京再発見」
【イベント】第1部 早稲田まちあるき 11時00分 〜
第2部 貸切都電 13時50分〜
第3部 南千住まちあるき 15時00分〜
■集合、早稲田まちあるき開始!!
10時45分に都電早稲田駅に集合。すでにたくさんの人が!
主催の「NPO法人東京を再発見する会」の旗があり、初参加の私もすぐに分かりました。
そして今回の主催者へご挨拶!写真右のサングラスを掛けた人物こそ「NPO法人東京を再発見する会」理事長の兒玉(こだま)さん!サングラス、怪しいですよ(笑)
お隣が理事のロンさん。あと1名が前日の忘年会の影響で遅刻とのこと・・。
お二人、今日は1日宜しくお願いします!!
・・・挨拶も終わり、参加者の皆さんも集合したところで兒玉さんより今日のスケジュールとルート説明。手に持っている分厚いファイルは今日の街歩きで説明する資料とのこと。
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一通り説明が終わったらいざ出発!
歩くこと30秒、いきなりお店の前で立ち止まり、兒玉さんが資料を手に説明を開始。
兒玉さん解説:
この「金城庵」は大正5年創業の老舗蕎麦屋。三島由紀夫が立ち上げた「楯の会」の結成式や、阪神で活躍した岡田彰布さんが入団会見をしたことで有名です。
そして説明後、すぐに歩き出す兒玉さん。このような形で進行するようです。ハイペース。
次は「記念ペナントオギワラ」。ペナントとは細長い三角形の旗のことで、
大学のサークルからの製作依頼もあるようです。
兒玉さん解説:
創業時は、早稲田の制服や制帽を作り販売していましたが、現在はペナントの作成と販売がメインです。
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兒玉さん解説:
真言宗豊山派寺院の「観音寺」は、慈雲山大悲院と号します。賢栄和尚が開山となり寛文13年(1682年)下戸塚村に創建したといいます。この変わった形をしたデザインは、早稲田大学の教授・石山修武(おさむ)さんがデザインしています。
しばらく歩くと早稲田大学の正門前にある「大隈講堂」に到着。今回初めて見ましたが、コンクリートのビルを見慣れていたため、レンガ造りの建物は非常に美しかったです。
兒玉さん解説:
「大隈講堂」は2006年に歴史ある外観は維持したまま改装工事を開始して、多機能型文化ホールとして利用できるようになりました。
ここで遅れていた主催者のひとりで「NPO法人東京を再発見する会」理事の外村(そとむら)さんが到着!前日飲み過ぎたとのこと(笑)宜しくお願いします!
参加者がはぐれないよう外村さんが「東京再発見」と書かれた旗を持って歩きます。
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早稲田大学を通り過ぎ・・・
何気ないビルにも兒玉さんのウンチクが・・・
兒玉さん解説:
ビル最上部にも書かれているこの「高田牧舎」は、明治38年に創業。もとは創業者が麹町から牛7頭を連れてきて始めたミルクホールで、早稲田大学の歴史と共に歩んできた老舗のレストランです。
小さな店にも歴史があるようで・・・
兒玉さん解説:
「ぷらんたん」は、昭和25(1958)年に創業の喫茶店。経営者は変わりましたが、お店は続いています。吉永小百合やタモリも通った言われています。
お店の反対側にはお寺が。
兒玉さん解説:
「宝泉寺」には、江戸鋳物師の技術が頂点に達した正徳年間に鋳造された梵鐘(ぼんしょう)があります。太平洋戦争中に金属が不足し、当時のお寺が梵鐘を国に供出したため、現存する江戸時代の梵鐘は数が多くありません。そのため宝泉寺の梵鐘は、史料的に価値が高くなっています。
「宝泉寺」から1分ほど歩いたところにまたお寺が。早稲田大学周辺にはお寺が多いんですね。
すると道路の向かいになんとも歴史がありそうなおそば屋さんが。兒玉さんのお話が続きます。
兒玉さん解説:
「三朝庵」は、カレーうどん発祥の店です(1904年から出していると言われています)。また、カレーうどん発祥だけでなく、現在の卵をとじる形のカツ丼を産み出したのもこの店です。
・・・なんと!!カツ丼に目がない私は是非ここで食べたい!と思っていたらこの店でお昼休憩に。参加者みんなでお店に入ります。
レトロな雰囲気漂う木造のお店で、メニューも手書き!さっそく注文してみたところ、カレーうどんやカレー南蛮は人気商品だからか12時前なのに既に売り切れ・・・しかしカツ丼は無事残ってました!良かった!
レジ付近にはこのような但し書きが。「卵でとじるカツ丼発祥の店=特別なこだわりがある」と思われる方がいるのかもしれませんね・・・
15分ほど待ち、カツ丼の登場!汁物とお新香のセットです。
アップもパシャリ!お、おいしそう・・・頂きマス!!
普通の蕎麦屋のカツ丼、と書かれていましたが、昔ながらのほどよく甘い味付けでとてもおいしかったです!ごちそうさまでした!!
そして昼食が終わるとすぐに街歩き再開。ここからは兒玉さんの解説と共に回った名所・名店をダイジェストで紹介。まずは人気ラーメン店「メルシー」(この日は定休日でした・・)
兒玉さん解説:
「メルシー」は慶応の二郎、早稲田のメルシーと言われるほど人気のあるラーメン屋です。ラーメンは煮干し出汁、丼物も充実しています。
続いて「放生寺」(ほうじょうじ)。ちょうちんが目印です。
兒玉さん解説:
ちょうちんに書かれている「一陽来福」とは、来る年もまた福が訪れるように願う意味があり、冬至から節分の間に一陽来福のお札を受け取ることができます。
続いて「エジプト考古学ビル」
兒玉さん解説:
エジプト考古学の第一人者、吉村作治氏の所有するビル。以前はここでパピルスというエジプト料理店も経営していました。
続いて「スコットホール」という名前の教会
兒玉さん解説:
ここは、昔からキリスト教に関心を持つ早稲田大学の学生たちの知的・倫理的啓発の場として発展しています。ちなみに私は、ここで挙式しました。
・・・えっ、ここで結婚式!?兒玉さんが!?と参加者がざわざわする中、とても照れくさそうにしていました。こんな教会での挙式もすてきですね。
そんな素敵な教会の次は何とも庶民的な建物が・・・
兒玉さん解説:
「渡辺館」は今では数少ない、昔ながらの賄い付き下宿です。現在も下宿している人がいるそうです。
「渡辺館」を離れイチョウの黄葉が綺麗な早稲田大学へ戻ってきました。
大隈重信の銅像をながめてから・・・
早稲田大学の正門を出ると、周りから一際浮いた謎の建物が。「ドラード早稲田」という名前で賃貸マンションとして住むことが可能とのこと。
兒玉さん解説:
正式名称は「ドラード和世陀(わせだ)」。早稲田大学建築学科を卒業した、日本のガウディの異名をとる梵寿綱(ぼんじゅこう 本名田中俊郎)とその仲間たちによって1984年に建てられました。
奇抜なデザインに様々なタイルや陶片が使われています。ギャラリーや美容室などのテナントも入っています。
お昼休憩を挟んで約3時間早稲田の街を歩き、集合地点の都電早稲田駅まで戻ってきました。この後いよいよ今回のメインイベント、都電荒川線貸切の旅が始まります。
■いよいよ!貸切都電の旅はじまる!!
トイレ休憩などをすませ、いよいよ都電に乗り込みます。
貸切車と書いてある車両が登場!行き先が「貸切車」なんて表示初めて見ました。
公式サイト(http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/toden/kanren/kashikiri.html)によるとこの車両は8800形[定員61名(座席定員20名)]とのこと。今回の参加者は約50名のため・・・
全員が乗車するとこのような感じに(笑)意外とぎゅうぎゅうです。
今回は早稲田駅から終点の三ノ輪橋駅まで、途中ドアが開くことなく一気に走ります。乗車時間はおおよそ1時間ほどです。
貸切なので出発前に運転席をパシャリ。こんなに近くで見るのは初めてです。
発車時刻になり出発!わくわく!
出発すると早速兒玉さんがマイクを使って駅ごとに解説をしてくれます。室内なのでサングラスは外しています、渋くてかっこいいですね!
車両後方からもパチリ!貸切のためみなさん車内を歩き回って撮影などしています。
途中サンシャイン60を眺めながら・・
JR大塚駅前を通り・・
さらに走ること20分、都電が一般車道を走るすごい光景が。この近さ、車内から見るとすごい迫力です。
都電貸切の旅もあっという間に1時間がたち、終点の三ノ輪橋駅に。
ドアが一度も開かなかったので、外の空気が澄んでいるように感じます(笑)
そして三ノ輪橋駅から南千住の街歩きがスタートします。
・・・が、スペースの関係上全てを紹介することができず・・・
「同じ地域を街歩きすることもあります」(兒玉さん)とのことですので、南千住に興味のある方はぜひ「東京再発見」コミュニティをチェックしてみてください!!
今回のイベントでは、お子様連れの方やご夫婦、友人同士など様々な方が参加をされていました。
長い時間一緒に街歩きをしますので、参加者同士で話も弾み、初めて参加した私も多くの方とお話をすることができました。
また、普段気にもとめないような場所にも実は歴史があり、その歴史を知ると街の見え方も変わるんだな、ということを感じました。
個人的には人生初の都電、しかも貸切で乗れたことも非常に楽しかったです!!
■主催者インタビュー
街歩き中は名所やお店のご案内のため、ランチを食べながらコミュニティ管理人でありイベント主催者の兒玉さん、そして外村さんにお話を伺いました。
―本日は取材をお受け頂きありがとうございます!現在はmixiコミュニティでも参加者を募集していますが、元々兒玉さんがグループを立ち上げられて活動しているんですよね?
兒玉さん:そうですね、私が2000年にコミュニティサイトでグループを立ち上げて、任意団体として活動をしていました。その後2005年にmixiで「東京再発見」コミュニティを作り、グループ結成10年目を機に「NPO法人東京を再発見する会(http://tokyosaihakken.sakura.ne.jp/index.html)」を立ち上げNPO法人化しました。そこで現在も理事長をしています。
―なるほど、歴史がありますね!ちなみにmixiでメンバー募集を始めたきっかけなどはあるのでしょうか?
兒玉さん:元々はサイト上でメンバー募集をしていたのですが、街歩きとは違う目的で参加してこられる方がいたり、いわゆる「荒らし」がありました。そこで2005年にmixiコミュニティを立ち上げ、募集を開始したところそういった荒らしも少なく円滑に進み、今でも参加者の8割以上はmixiから来られていますね。
―8割も!それはありがたいです!なぜmixiだと募集がうまくいったのでしょうか?
兒玉さん:おそらく同じ趣味や関心を持つ人が集まるからだと思いますね。mixiのコミュニティはそれが良いところだと思います。なので初参加の方はイベントに参加するためにまたmixi始めました、と仰る方も多いですね。
―おお、mixiの利用者を増やしていただきありがとうございます!ちなみに皆さんはそれぞれ役割などはあるのでしょうか??
外村さん:そうですね、一応それぞれが好きな分野を担当する、という形になっていまして、兒玉さんは歴史や史跡など、私は美味しい店やサブカルチャーなどをテーマに企画をしています。ロンさんは建築が好きなので、建築関連のイベントを主催したりしていますね。
(写真左から兒玉さん、ロンさん、外村さん)
―なるほど、皆さんそれぞれが得意分野で活動されているんですね!コミュニティ名が「東京再発見」ということで、活動場所は東京ということでしょうか?
兒玉さん:今は東京を中心として横浜や周辺地域を対象にしています。“東京の魅力を広く多くの人に伝えてきたい”と考えていますが、東京を深く知るには東京だけでなくその周辺地域も知る必要があるからです。東京に住んでいる方は今の街並みや風景が当たり前のものになっていて、注意して見ることも無いと思います。しかし、その当たり前の街並みに実は歴史があったり、おもしろい過去があったりします。“東京を色んな角度から見てほしい”という思いもあり活動をしています。
―確かに私も東京に住みながら今回の街歩きでは初めて知ることばかりでした。今後はどのような方に参加して欲しいですか?
兒玉さん:東京をもっと知りたい方、地方から東京に出てきて住んでいる街を知りたい方など、是非参加して欲しいですね。
外村さん:今はお子様連れの方もよく参加されていますので、住んでいる街の勉強にもなりますのでぜひご家族連れでもご参加いただきたいです。
―なるほど、分かりました。最後に、活動を始めてこれまでに印象深かったことなどはありますでしょうか?
兒玉さん:そうですね、最近はテレビ東京やケーブルTVの番組に出たり、ぴあの雑誌に出たりと取材を受けることが増えてきましたね。今回もそうですが(笑)それは長く活動してきて嬉しいことですね。
外村さん:あとは同じ趣味を持っているからか、初めて同士の方でもコミュニケーションがしやすいようで、この活動を通して知り合った方同士で何組も付き合ったり、結婚したりしていますね。
―そうなんですね!過去のコミュニティ取材でも同様の話が出ていましたので、やはり共通の趣味があるからこそですね。
外村さん:そうですね、実際私も何組かの結婚式に出たこともあります(笑)
―分かりました、そんな初めて同士の方でも気軽にコミュニケーションができるイベントですので、興味のある方はぜひ参加してみてください。今日はありがとうございました。
■取材を終えて
今回の街歩きは11時に都電早稲田駅集合、17時に南千住駅解散という丸1日かけてのイベントでしたが、初めて歩く街で、且つ兒玉さんの丁寧な説明もありあっという間に時間が過ぎていきました。
参加者も50名強と非常に多かったのですが、兒玉さんはじめ主催者メンバーがきちんと誘導などを行い、統制が取れた形で街歩きを楽しむことができました。
これからも東京の様々な場所でイベントを開催予定との事で、もっと東京について詳しく知りたい!という方はぜひ「東京再発見」コミュニティから参加してみてください!
引き続きmixiで活発に活動をしているコミュニティを随時取材予定です。
ぜひ私たちを取材をして欲しい!!というコミュニティ管理人のみなさん、こちらのアカウントから熱いメッセージをお待ちしております!
→メッセージはこちら
潜入レポート第4弾も実施予定!お楽しみに!!
今回ご紹介したのは「東京再発見」コミュニティです。
※「mixi公式ブログ」より転載しました。