外は晴れているのに、部屋のなかでは明かりをつけなくてはいけないなんて、なんとなくもったいない。まぁ、仕方がないんだけど。
ところが、太陽光を効率よく室内に採り入れることで、室内をより明るくすることができるフィルムがある。
大日本印刷が発売している『DNP採光フィルム』だ。
光を反射・拡散させる
この『DNP採光フィルム』は、窓から入ってくる太陽光を天井などに効果的に反射、拡散させる機能をもつ。
例えば、これまで床に落ちるだけだった太陽光を広く拡散させることで、部屋を明るくすることができるというものだ。これには、大日本印刷がディスプレー向け光学フィルムなどで培った、光学設計や微細加工の技術が生かされているという。
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この『DNP採光フィルム』は、2枚のガラスの間に採光フィルムを挟んで貼り合わせた『DNP採光フィルム(合わせガラス用)』が10月に発売されていて、大手ハウスメーカーに採用されていた。
しかし、そのタイプだと、ガラスごと新規にしないといけないので、基本的には新築用になる。
そこで、光を反射・拡散させる機能を、フィルム表面ではなく内部に持たせることで、表面を平滑にしたモデル『DNP採光フィルム(現場施工用)』を新たに開発した。
既存のガラスにも施工可能
この『DNP採光フィルム(現場施工用)』は専門業者が容易に貼り付けられるとともに、使用者にとっても汚れの拭き取りなどを容易にしたことで、既存の窓ガラスに貼り付けて使うことができるようにしたものだ。これは1月から販売されるという。
この『DNP採光フィルム(現場施工用)』なら、リフォームとしてこのフィルムを施工できる。
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採光機能のほか、ガラス破損の際の飛散防止や、紫外線99%カットによる人体や家具、カーペットなどへのダメージの低減というメリットもある。
また、このフィルム自体も、最表面には硬度の高いハードコート剤をコーティングしているためキズがつきにくく、光による黄変などの劣化に対しても耐久性が高いという。
なお、光を拡散させる層を持つため、透明なガラスに貼り付けるとすりガラス調になる。
温室効果ガスの削減が大きなテーマとなっている現代、さまざまな技術革新がその手助けをしてくれる。
この『DNP採光フィルム』は、日当たりの悪い北側の窓に使用したケースで、室内の明るさが2倍に向上し、照明エネルギーを13%削減できたという例もあるという。
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人工の光じゃなくて、太陽光の恩恵にあずかれるという点でも嬉しいではないか。
【参考・画像】
※ 新築・既築の窓ガラスに貼り付けるだけで太陽光を効率的に取り入れ 日当たりが悪い室内を2倍明るくする「DNP採光フィルム(現場施工用)」を開発 – 大日本印刷
※ Graphs / PIXTA