筆者が10代の頃は、パソコンというものはまだ大きかった。
当時はデスクトップ型とノートブック型が厳格に線引きされていて、特にデスクトップ型は家具みたいなものであった。
縦置きだろうと横置きだろうと、専用の事務机がないと、なかなか上手に設置することができなかった。余談だが、高校生の頃の筆者は、釈台の上にどうにかパソコンを置いて物を書いていた。講談師みたいな少年である。
ともかく、時代の流れとはすごいもので、今やデスクトップともノートブックとも言えない型の、まったくもって新しいパソコンが発売されている。
その中でも筆者が今注目しているのは、テックウインド株式会社が、来年1月に発売する予定のキーボードPC『WP004』だ。
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「省スペース」は最重要課題
このパソコンの特徴は、やはりキーボード一体型という点である。
OSはWindows10。2つのUSBポートとmicro SDカードリーダーを備え、操作部にタッチバッドもある。テレビとそれにつなぐケーブルがあれば、『WP004』を使用することができる。
上の画像は英語キーボードだが、日本国内で販売される製品は、当然ながら日本語キーボードだ。
この製品は、冷却ファンを搭載していない。もっとも最近はそういう製品も珍しくなくなってきているが、『WP004』の場合はその表面積を広くすることで、効率のよい放熱を図っているという。
そうした特徴を揃えた本製品は、非常にスリムな印象を受ける。先述の通り、パソコンというのは机の上のスペースを奪うものでもある。その点は今も昔も変わらない。
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そして、最近では「家に物を置きたくない、部屋には極力何も置かないほうがいい」と考える人が増えている。“断捨離”や“ミニマリスト”といったものがここ数年話題になっているのだ。
パソコンも部屋のインテリアである以上、その見た目やコンパクトさもスペックの一つとして考慮する必要があるのではないか。
手軽なスタートアップは高齢者層へ普及するか
『WP004』はその幅広い活用が期待されているが、僭越ながら筆者は「高齢者世帯への普及促進」を提言したい。
もはや社会インフラとして欠かせない存在のパソコンやインターネットであるが、これらを本格的に始めたいものの、最初のうちからあまり気張った製品を買うのもどうだろう……と考える高齢者は多くいるはずだ。“敷居の高さ”というものにつまづいているパソコン初心者は、今も昔も決して少なくない。
筆者を含め、普段からキーボードを叩いているうちにはあまり想像できないかもしれないが、これからパソコンを始めようという人は「何と何を揃えたらインターネットができるの?」という疑問を抱いている。だからこそ、メーカーは「これだけ揃えればインターネットができます!」と主張しなければならない。
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そういう意味でも『WP004』のスリムさ、シンプルさは、非常に大きなアドバンテージとなるはずだ。
【参考・画像】
※ テックウインド、Windows 10を搭載した「キーボードPC」を発売 – テックウインド公式サイト