少なくともサラブレッドに関しては、遺伝子型と性格の関連性がある程度判明したようだ。
これは、京都大学の研究グループの研究結果によるものだ。
遺伝子型と、乗り馴らし中のサラブレッド馬の扱いやすさとの関連を分析した結果、セロトニン受容体遺伝子の遺伝子型によって、扱いやすさに違いがあることがわかったという。
明日12月27日は、2015年の有馬記念開催日ということで、明日が待ちきれず寝るに寝られないという根っからの勝負師の方は、この記事を是非ご一読頂ければ幸いだ。
JRAの牧場で調査
この研究は、ヒトに身近な家畜において、遺伝子型から行動を予測できれば、個体の特性にあった訓練方法や飼育方法の開発に応用できるのではないか、という背景で行われたものだ。
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研究内容は、JRA日高育成牧場で2011年から2013年に飼育され、騎乗訓致(乗り馴らし)を受けた、サラブレッド1歳馬167頭を対象に扱いやすさの評定を行ったものだ。
3名の牧場職員が17の項目を評定したが、その17項目を5つのカテゴリー(新しい物体・ヒトへの不安、新しい環境への慣れにくさ、大きな物体への恐怖、反抗的な態度、体を触られることへの不安)に分けて得点化した。
そして、行動を評定した馬から血液を採取し、DNAを抽出してセロトニン受容遺伝子(HTR1A)のタンパク質をコードする領域の配列を調べた。
セロトニンとは、不安や恐怖の調整に関連する神経伝達物質である。
709番目の塩基がカギ?
調査したサラブレッド馬の遺伝子の塩基配列のうち、709番目の塩基に、個体によって異なるものがあることがわかった。グアニン(G)の場合とアデニン(A)の場合の二種類が存在するのだ。
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そして、扱いやすさと遺伝子型の関連を分析したところ、その709番目の塩基がAである個体は、そうでない個体に対して、統計的に扱いにくかったというのだ。
そして、その傾向はオスよりもメスでより顕著に見られた。
今後、更なる研究によって本研究の再現性を確かめられれば、遺伝子型から個体の性質を予測し、それに合わせた飼育管理方法の開発や、乗馬・セラピーホースなどとしての、適正評価などにも応用が期待されるという。
これはセンセーショナルな話か?
それにしても、今回は馬に関してだが、人間に関しても遺伝子型と性格が関連づけられてしまうとなると、センセーショナルだろうか?
いや、人間の場合は、別に遺伝子を見なくても性格なんてわかるから、あまり問題にならないだろうか? 人間はある程度性格も変わることがあるし。
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じゃあ、遺伝子操作や遺伝子治療で性格が変えられるとしたら?
将来的にはそんな話題まで出てくるかもしれない。
【参考・画像】
※ サラブレッド馬の扱いやすさとセロトニン受容体遺伝子の関連 – 京都大学
※ Mikhail Pogosov / Shutterstock