元不倫相手に「昔のことをバラす」と脅される新妻の「ストーカー撃退法」

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2015年12月27日 07:41  弁護士ドットコム

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過去の恋はすっかり忘れ、夫との穏やかな生活に幸せを見出していたというある新妻。


そんなある日、自宅に元交際相手が現れます。そして「昔のことをバラす。嫌ならまた付き合え」と、何度となくその男は訪問してきたそうです。


夫に相談したくても「元交際相手は、職場の上司だった既婚者でした。不倫していたことは夫に知られたくありません」と、弁護士ドットコムの法律相談で女性は複雑な事情を明かします。


元交際相手の訪問をやめさせ、関係を絶つためには、どのようなことができるのか。吉成安友弁護士に詳細な解説をしていただきました。



A.  有効な方法は、警察による警告


ご相談者のケースでは、元交際相手が行っている行為は、ストーカー規制法上の「つきまとい等」や「ストーカー行為」にあたると考えられます。


「つきまとい等」は、特定の者に対する恋愛感情やそれが満たされなかったことへの恨みなどから、本人やその関係者に次のいずれかを行うことです。


(1)つきまとい、待ち伏せ、立ちふさがり、見張り、押しかけ


(2)監視していると思わせるような内容を告げることなど


(3)面会、交際その他の義務のないことを行うよう要求すること


(4)粗野又は乱暴な言動


(5)無言電話、連続したFAX・電話・メール


(6)汚物の送付など


(7)名誉を害する事項を告げることなど


(8)羞恥心を害する事項を告げることなど


そして、こうした「つきまとい等」を反復して行うことが(1〜4については不安を覚えさせるような方法で)、「ストーカー行為」とされます。


このケースの経緯には感心しませんが、「昔のことをバラす。嫌ならまた付き合え」と度々要求し、繰り返し自宅にも押しかけることは、恋愛感情から1や3の行為を行っているとして、「つきまとい等」にあたり、また「ストーカー行為」にもあたると考えられます。


ストーカーの問題は、当事者間の話合いでは、解決しないことが少なくありません。その場合、有効な方法は、警察による警告です。「つきまとい等」を繰り返している相手に対しては、警察署長などから、やめるよう警告してもらうことができます。


警告に従わない場合は、公安委員会に行為をやめるよう禁止命令を出してもらうことができます。相手が禁止命令に従わずに、「ストーカー行為」を行った場合には、一年以下の懲役又は一〇〇万円以下の罰金が課されます。


ストーカー規制法は万能ではありませんが、ストーカー規制法に基づく警察の警告にはかなりの効果があり、ほとんどの者が「つきまとい等」をやめています。平成二十五年の改正では、連続してメールをすることも「つきまとい等」にあたるとされるなど、時代にも対応してきています。


ストーカー問題は、長期化すればするほど、相手の執着が強まり、解決が困難になっていくケースが多いようです。深刻になる前に早期の対応を行うべきでしょう。




【取材協力弁護士】
吉成 安友(よしなり・やすとも)弁護士
東京弁護士会会員。企業法務全般から、医療過誤、知財、離婚、相続、刑事弁護、消費者問題、交通事故、行政訴訟、労働問題等幅広く取り扱う。特に交渉、訴訟案件を得意とする。
事務所名:MYパートナーズ法律事務所
事務所URL:http://myp-lo.com/


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